足元の荷量はマイナス基調も下期に対策効果出てくる
日本郵政の長門真貢社長は5月15日に開いた2019年3月期連結決算説明会で、日本郵便の宅配便ビジネスが極めて好調に推移したことがグループ全体の増益にも寄与したとの見方を示した。
質問に応じる長門真貢社長
長門社長は「ゆうパックの取扱数量が前期比7.6%増加したことに加えて運賃単価の見直しも進展。日本郵便の純利益は1266億円と期初計画(450億円)を大きく上回った」と評価した。
その半面、同第4四半期の取扱数量は2%減と足元では若干のマイナストレンドにあることを明らかにした上で、「これを看過するつもりは全くない。顧客ごとの対応、ゆうパケットによるカバーなど既に手を打っている。今期後半からその成果が特に出てくると思う」と展望。引き続きサービスレベルの向上とオペレーション体制の整備に取り組むことを強調した。
一方、豪トールが手掛ける国際物流事業は売上高が5.5%増の86億5800万豪ドル(7006億円)、営業利益も前期並みの1億2700万豪ドル(103億円)を確保した。ただ中国経済の減速や自然災害などに伴う一時的なコスト増からロジスティクスが減益、フォワーディングとエクスプレスは3期連続の赤字となり、これをコーポレートなどの損益改善で補った格好だ。
(鳥羽俊一)