東京圏の物流施設空室率、1~3月は前期から横ばいの4・1%

東京圏の物流施設空室率、1~3月は前期から横ばいの4・1%

四半期最大級の新規供給も旺盛な需要で吸収

JLL(ジョーンズ ラング ラサール)は5月16日、2019年第1四半期(1~3月) の東京圏の物流施設市場動向に関する調査結果をまとめた。

賃貸施設の期末平均空室率は4・1%で、前期(18年第4四半期、18年10~12月)から横ばいだった。前年同期からは1・1ポイント低下した。

期中に東京湾岸の千葉県市川市でESRの大規模施設「ESR市川ディストリビューションセンター」(延べ床面積22万5000平方メートル)が完成するなど、新規供給量は65万3000平方メートルと四半期ベースでJLLの調査開始以来、最大規模を記録したが、旺盛な需要で吸収した格好だ。

期末の坪当たり平均月額賃料(共益費含む)は4251円で、前期から0・8%上昇した。前年同期比では1・5%のプラス。JLLは「新規供給の賃料水準が上昇を牽引した」との見方を示した。

今後の見通しについては「大量の供給が予定されているが、用地価格や建築コストの上昇を反映して、賃料は上昇傾向で推移する」と展望した。

調査は東京、神奈川、千葉、埼玉の各都道府県と茨城県の南西部が対象。2000年以降に完成した延べ床面積5万平方メートル以上の先進的物流施設の利用状況をリサーチした。


空室率と賃料の推移(JLLリポートより引用)※クリックで拡大

空室率をエリア別で見ると、湾岸に近い「ベイエリア」(東京・大田区、江東区、横浜市、千葉県市川市など)は0・0%、「内陸エリア」(東京都八王子市、神奈川県厚木市、千葉県柏市、埼玉県川島町なと)は6・3%で、ともに前期から横ばいだった。

賃料はベイエリアが4761円、内陸エリアが3986円でいずれも前期から0・8%アップした。

19年1~3月期には前述のESRのほか、日本GLPの「GLP流山Ⅲ」(千葉県流山市、延べ床面積8万9000平方メートル)やグッドマンジャパンの「グッドマンビジネスパークノース」(同県印西市、14万平方メートル)などの大型案件が6棟完成。ストックは前期比で6%、前年同期比で22%それぞれ増加した。

(藤原秀行)

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