「2024年問題を意識」、運送会社経営層の5割にとどまる

「2024年問題を意識」、運送会社経営層の5割にとどまる

X Mile意識調査結果、昨年10月とほぼ同水準

物流事業者の業務効率化支援ソフト「ロジポケ」をSaaSで提供しているスタートアップのX Mile(クロスマイル)は4月25日、運送会社の経営層(役員以上)226人を対象に実施した「2024年問題」への取り組み実態に関する調査結果を公表した。

同社の調査は昨年10月に続く第2弾。今回の調査は24年問題を意識している運送会社経営層は55.5%と半数程度にとどまったほか、対策を「行っている」と明確に答えた企業も33.2%にとどまり、4月に入っても2024年問題への意識、取り組みがともに遅れていることを示唆した。

24年問題を意識している運送会社経営層は前回の58.7%からほぼ変わらなかった。

▼今回(2024年4月)

▼前回(2023年10月)

24年問題の対策を「行っている(33.2%)・やや行っている(30.2%)」の合計が63.4%に達し、前回の「行っている(27.1%)・やや行っている(35.1%)」を合わせた62.2%とほぼ同水準。X Mileは「やや行っている」から「行っている」へ移行している傾向が見てとれたと指摘、「直前期となり、取り組みを進めている実態と言える」との見方を示した。

同時に「まだ3社に1社は意識はしているもののいまだ対策を講じられていない企業が多く、業界全体として準備が遅れている」と分析した。

▼今回

▼前回

24年問題の対策をする上での課題を尋ねたところ、「ドライバーの定着・確保に困難している」が52.7%でトップ。次いで、「コストがかかる(32.1%)」、「社内人材の高齢化により、改善や変化が進まない(17.6%)」だった。

24年問題で最も解決したい課題は前回同様、「人手不足の解消」が最多で約半数の44.4%だったが、前回の48.1%からはやや減少した。一方、働き方改革への課題感が3ポイント増加した。

▼今回

▼前回

採用したいドライバーの数は「1人~5人(47.4%)」が最多で、次いで「16人以上(15.2%)」だった。企業規模ごとに見ると、50人以下の企業の85.0%が「1人~5人」だった一方、501人以上の企業の46.9%が「16人以上」を選んだ。

人手不足の対策として、採用活動で工夫していることのトップは「給与や賞与のアップ(45.0%)」。「残業削減(27.0%)」、「有給休暇の推奨(17.5%)」、「手当の拡充(16.6%)」が上位に入り、従業員の働き方に関する対策が重視されていることをうかがわせた。

■調査概要
・調査期間:2024年3月28日〜4月3日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国の20〜70代の男女で運送会社の役員以上226人
・メーン回答企業:中小企業(従業員500人以下の企業が87%)

(藤原秀行)※いずれもX Mile提供

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