伊藤忠ロジスティクスが中国の医薬品卸・DS大手に資本参画

伊藤忠ロジスティクスが中国の医薬品卸・DS大手に資本参画

老舗漢方ブランド「泉源堂」の出店やECを物流面から支援

伊藤忠ロジスティクスは5月16日、中国の医薬品卸・ドラッグストア大手である成都泉源堂大药房连锁股份有限公司(四川省成都市、泉源堂)に資本参画すると発表した。

伊藤忠ロジが国内外で展開する医薬品物流にて培った豊富なノウハウ、広範なネットワークを生かして戦略的な業務提携を実施。泉源堂が推進する大規模な出店計画やEC事業を後押ししていく。

泉源堂は1902年創業の老舗漢方薬店ブランドとして広く知られ、成都や重慶など内陸部の主要都市を中心にドラッグストア(DS)約 200 店舗を出店。医薬品卸売事業では約10万カ所の医薬店、約600カ所の病院に納品している。並行してEC事業にも力を入れ、現地アリババグループが運営する同国最大のECサイト「天猫」では医薬品分野の販売実績で第2位を記録するなど成長が目覚ましい。

加えて店舗の情報端末を基点に医師の診察、処方せん取得、薬剤師の薬学管理までをオンラインで一貫して行うほか、処方薬の宅配や店舗での受け取りに見られるインターネットと実店舗を融合させた事業も積極的に導入。中国政府(商務省)から「国家電子商務示範企業」に指定されている。

2020年までに北京・上海・広州を中心とした他エリアの主要都市への進出を通じて約1000店舗の大規模なネットワーク構築を計画しており、これに伴い医薬品関連の高品質な物流機能を必要としていた。

伊藤忠ロジは国内で医薬品卸やDSのセンター、薬局・薬店までの配送における温度管理をはじめとするハイスペックな医薬品物流サービスを提供。海外でも中国、インドネシア、インドで医薬品関連の物流を手掛け、とりわけ中国では総面積80万平方メートルの倉庫を活用してアパレル、シューズ、化粧品などのECおよび店舗物流で最大手プレーヤーの一つとして認知されている。

また親会社の伊藤忠商事が中国で重点分野の一つとして推進する医薬品分野の事業展開とも緊密に連携。先ごろ伊藤忠が投資した杏泰医療集団(SUNTOP)向けに人工透析液や関連機器の保管・輸送といった高い信頼性が求められる物流サービスを提供している。今後は現地でのネットワークを武器に物流分野での提携にとどまらず、日系メーカーの医薬品・化粧品・健康食品といった提供・紹介なども積極的に進めていく方針だ。

(鳥羽俊一)

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