1年程度で定常化目指す、他社にも参加呼び掛けへ
日本郵便とセイノーホールディングス(HD)は5月9日、幹線輸送の共同運行に向け、業務提携すると発表した。両社グループ間で基本合意書を締結した。
「2024年問題」で1人のドライバーが長時間・長距離を運行するのが難しくなっているため、双方の輸配送ネットワークや物流拠点を有効活用してトラックに両社グループの荷物を混載。幹線輸送の効率化・省人化を図り、業務の持続可能性を高めるのが狙い。
共同運行には日本郵便輸送とJPロジスティクス、西濃運輸も参加する。
日本郵便とセイノーHDの両社グループは今年2~4月、全国の5ルートを対象に、幹線輸送の共同運行でトライアルを実施。成果が見込めると判断し、より連携を強化することにした。
共同運行のイメージ
トライアルに参加したトラック(いずれもプレスリリースより引用)
今後は1年程度をかけてルールや仕組みの整備、最適なルートの選定などを進め、両社グループによる共同便運行を定常化できるようにしたい考え。併せて、両社グループ以外の物流企業にも共同運行へ参加を呼び掛ける。
東京都内で同日、記者会見した西濃運輸の高橋智社長は「全体の利益、お客様、物流業界、社会全体を主語にして取り組んでいくことが重要。より良い物流サービス提供に励んでいく」と強調。
日本郵便の千田哲也社長は「幹線輸送は各社が共創できる領域と考えている。両社だけにとどまることは想定していない。(他社も参加可能な)オープンパブリックプラットフォームを体現していきたい。(インターネットの在り方を参考にして共同輸送などを進め物流の効率化を実現する)フィジカルインターネットの実現に向けた重要な一歩になると考えている」と語った。
会見に臨む西濃運輸の高橋社長(左)と日本郵便の千田社長
会見後の撮影に応じる西濃・高橋社長と日本郵便・千田社長
(藤原秀行)