予測精度を約10%改善、自動発注も実現
DATAFLUCT(データフラクト)は5月16日、国分グループ本社と連携し、国分グループの物流拠点にDATAFLUCTの需要予測AIサービス「Perswell(パースウェル)」を導入、酒類・食品の自動発注システムを実現したと発表した。
2022年1月に本番導入を開始し、導入拠点数が200倉庫を突破。導入前と比べて予測精度を約10%改善し、自動発注率の増加、欠品率の減少、余剰在庫の減少といった成果を生み出しているという。今後は2024年中に導入可能な全倉庫への拡大・導入完結を目指す。
3温度帯対応の大型汎用物流拠点「西東京総合センター」
国分グループは国内外の約1万の仕入先から約60万アイテムの商品を仕入れ、約3万5000軒の得意先に商品を届けるため、全国約300拠点の物流センターを運営している。
同グループは過去の実績や経験値による需要予測を基に多様な商品の発注・在庫管理対応などの業務を展開。その際、予測精度の問題で在庫過多や欠品による販売機会の損失、イレギュラーな調達業務が発生していた。
課題解決のために、同グループは「定番商品の発注」における自動発注システムの実現を目指してきた。DATAFLUCTのシステムでは、得意先からの未来の受注を「Perswell」で予測し、国分グループの基幹システムと情報を連携、予測結果に現在の在庫数や欠品防止などの調整を加え、高精度の予測に基づく自動予測システムを構築した。
一般的なAI活用では、学習済みのモデルでしばらく予測を続け、一定期間が経過したら再学習する形が取られているが、酒類食品卸売業はさまざまな要因で1日ごとに状況が大きく変わるため、「Perswell」活用に際し、需要動向に影響を与える適切な外部データを活用したり、汎用的な1つのモデルで全商品を予測するのではなくより細かい粒度でモデルを構築したりといった工夫を凝らし、新しい情報をデイリーで最大限取り込み、需要予測精度を導入前よりも約10%高めた。
併せて、国分グループ本社の社内データに加え、多様な種類のデータを収集・統合し外部システムと簡単に連携できるようにしており、DATAFLUCTのデータプラットフォーム「AirLake」も活用した。
精度の高い需要予測結果が得られるようになったことで、自動発注できる商品の増加、欠品率の減少、余剰在庫の減少が進展。発注現場からは「確認などの作業時間が大幅に減り、より重要な業務にかける時間を増やせた」「自動発注が中心になると、経験の少ない若手担当者でも業務品質が高いレベルで安定している」といった声が出ているという。
チルド、冷凍、アイス、加工食品、酒類と多岐にわたるカテゴリーの商品に対応できている。
(藤原秀行)※いずれもDATAFLUCT提供