輸出入貨物にも対応注力
山九の諸藤克明専務取締役は5月13日、オンラインで開催したメディア向け2024年3月期決算会見で、24年度の注力分野の一環として、危険物倉庫の拡充を継続して図っていく姿勢を強調した。
諸藤氏は「保管だけでなく、お客様のニーズに沿って、輸出入(の貨物にも対応できる)のストックポイントとして(需要を)伸ばしていきたい」と説明。
大阪湾岸エリアの大阪府高石市で昨年、大規模な機能性化学品専用倉庫を開設したことなどに触れ「今年度も違う地域での計画を持っており、お客様のニーズのある所に進出していく。現状持っている危険物倉庫の拡大を行いながら、さらに輸出入に合わせて拡大していきたい」と語った。
海外事業の見通しについては、中国の経済成長鈍化の懸念が広がっていることに関連し「基本的に中国の荷動き低迷(からの回復)はもうしばらくかかるだろうと思っている。今年度の物流の取り扱い量も前年並みとみている」と解説。
東南アジアから米国や中東諸国など、中国以外の三国間輸送を伸ばしていく方針を継続する姿勢を表明し、「あまり楽観視せず地道に頑張っていく」と語った。
投資会社のマーキュリアインベストメント(MIC)が組成した、投資対象を物流・ロジスティクス関連の新興企業に特化したファンドに出資したことについては「スタートアップさんとの協業は非常に大事になると思っている。いろんな案件を一緒に模索していきたい」と述べ、スタートアップとの連携強化に意欲を見せた。
(藤原秀行)