セイノーHDとエアロネクスト、静岡・川根本町でドローン活用した新スマート物流の実装スタート

セイノーHDとエアロネクスト、静岡・川根本町でドローン活用した新スマート物流の実装スタート

住民向けにフードデリバリーや買い物代行を順次開始

セイノーホールディングス(HD)とエアロネクスト、同社子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYの3社は5月31日、静岡県川根本町で、ドローンなどを活用して最適な物流ネットワークを維持する新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の社会実装をスタートしたと発表した。

6月1日には買い物代行サービス「SkyHub Delivery」を開始。住民ニーズに応じて順次サービスの対象エリアを広げる。SkyHubで出荷・一時保管の機能を持つ拠点「ドローンデポ」は町内の旧中川根南部小学校に構え、2024年度中には飲食店と連携したフードデリバリー「SkyHub Eats」や、各運送会社と連携した共同配送の開始も目指す。

川根本町とNEXT DELIVERYは2023年、2回に渡って災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験を展開。同年12月は川根本町とエアロネクスト、セイノーHDの3者で町が目指す過疎化などの地域課題解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結した。

SkyHubはセイノーHD とエアロネクストが全国で推進しており、川根本町は社会実装フェーズに入った自治体としては全国で10番目。


(左から)川根本町・長薗田靖邦町長と秋元伸哉副町長、エアロネクストCEO(最高経営責任者)とNEXT DELIVERY代表取締役の田路圭輔氏、セイノーHD・和田悟事業推進部ラストワンマイル推進チーム新スマート物流推進プロジェクトマネージャー(ドローンデポ川根本町前)


物流専用ドローンAirTruckに食料品の入った専用箱を取り付けるスタッフ(離陸地点の旧中川根南部小学校グラウンド)


ドローンで配送された刺身やヨーグルトなどの食料品を受け取る住民(田野口地域振興センター)

本事業は令和6年度(2024年度)デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装 Type1)「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」として採択されている。

「SkyHub Delivery」は専用アプリで買い物した地域の商店やスーパーなどの商品が、希望日時に個宅に届く。地域の商店のDX化支援の思惑もあり、近隣の地元スーパーの約60アイテムの食料品、日用品から商品を選び、希望時間を選択して注文できる。

料金は配送料300円(税込み)とサービス料(商品代金合計の10%)。当面は午前12時までの注文を当日中に届ける。

「SkyHub Eats」は川根本町の提携飲食店のフードをドローンか軽車両で届ける。料金は買い物代行と同じ。

5月30日の報道関係者向けデモでは、地域住民の日常的な買い物利用を想定して、旧中川根南部小学校から田野口地域振興センターまでの片道約3.8㎞を約8分で、地域の商店「魚勇」のお刺身やヨーグルトなどの食料品をエアロネクストが物流用途に特化し、ACSLと連携して開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruck
エアトラック)を使用して配送した。


ドローン配送した地域商店の食料品とAirTruck専用箱(いずれもセイノーHDとエアロネクスト提供)

(藤原秀行)

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