実効性ある施策で食料品の安定供給維持目指す
イトーヨーカ堂は6月6日、首都圏の主要スーパーが連携して物流の効率化を進める自主的な団体「SM物流研究会」に5月22日付で参加したと発表した。
同研究会は昨年3月に発足。物流分野を「競争領域」ではなく「協力領域」と捉え、各社が協力して物流やサプライチェーン全体の効率化につながる施策の検討と実行を進めている。
イトーヨーカ堂はこれまでにも、配送車両の効率化や物流センターの生産性改善など、様々な課題解決のための取り組みを進めてきた。研究会で各社とともに実効性のある施策を研究し、将来も食料品の安定供給を維持できるようにする。
「2024年問題」対策として、物流センターでのトラックの荷待ち時間を1時間以内、荷役時間は2時間以内に収めることを目指していく予定。
同研究会は現在、二部制を採用しており、「SM物流研究会」はサプライチェーン全体の物流効率化、「首都圏SM物流研究会」は各エリアの食品スーパーの物流効率化をそれぞれ担っている。
同研究会の概要
【参加企業】
サミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーション、カスミ、西友、いなげや、東急ストア、原信、ナルス、平和堂、エコス、たいらや、マスダ、与野フードセンター、イトーヨーカ堂の16社
【これまでの主な取り組み内容一例】
(1)「持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言」4項目の履行
①加工食品 定番商品の発注時間見直し
②特売品・新商品の発注・納品リードタイムの確保
③納品期限の緩和(「1/2ルール」の採用)
④流通BMS(ビジネスメッセージ標準)による業務効率化
(2) 物流センターにおけるトラックの荷待ち・荷役作業削減
荷待ち・荷役作業時間の計測、バース予約システム導入と有効活用、パレット納品の要請
【今後の活動予定】
(1) 物流センターにおけるトラックの荷待ち・荷役作業時間2時間以内を目指す(荷待ち時間は1時間以内を目指す)
(2) 各社が協力し、空きトラックの有効活用と共同配送について研究
(3) 生鮮物流、ばら積み納品削減、チルド加工食品物流について研究
(藤原秀行)