【地震】中国DJIの物流ドローンで被災地に物資輸送、「往復4km/標高差200m/総重量300kg」

【地震】中国DJIの物流ドローンで被災地に物資輸送、「往復4km/標高差200m/総重量300kg」

ビジネスサポート協会など実施

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(岡山市)は6月18日、能登半島地震の被災地で6月12日、Drone Partner’s(石川県珠洲市)と組み、土砂崩れのため車の行き来ができない地域にドローンを使用して物資を空輸したと発表した。

同協会は1日15往復、総重量300kgの物資輸送は業界でも大規模な案件だと指摘、今後の空輸ビジネスの大きな発展につながると説明している。

能登半島地震で道路が寸断された企業からDrone Partner’s(協会石川県本部)へ「ドローンを使用して事業所復旧に必要な物資が運べないか」と相談があったのが端緒という。

これまでの一般的なドローン空輸では重さ数kgの物資を運ぶ実証実験にとどまっていたのに対し、同協会では2024年発売の最大40kgの物資まで運べる中国DJI製の最新物流用ドローン「DJI FlyCart30」をいち早く導入していたため、細心の計画に沿って運搬業務を受託した。

物資空輸は珠洲市の山中で実施し、離着陸は事業所に最も近い山道で行った。離着陸地点から直線距離で約2km、標高差約200mの場所まで物資を届けた。

ウィンチを使用してドローンをホバリングさせたままで物資を地上に降下。併せて、空輸に使用したスリング・ウィンチバッグなどを送り返した。物資は合計約300kで、最大重量物は約20kgだった。

ドローンパイロットは離着陸地点と荷受け地点の2カ所(2パイロット)で機体を操縦した。

輸送物資の確認・パッキングは、玉掛けの資格保有者が中心となり、輸送する物資を「大きさ」「重さ」により重量中心点を考慮した上でパッキングを実施。1フライトの最大重量は25kgで設定した。

フライト数は15回で、物資は1フライト当たり25kg未満で13フライトを実施した上、追加で、1フライト目で受け側で使用する資材、12フライト目でお弁当を配達した。


当日は日の出と共にブリーフィング


崩れた箇所を乗り越えて荷受け地点に向かった


多くの目で飛行を監視

(藤原秀行)※いずれも同協会提供

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