貿易情報一元化システム「TradeWaltz」、一般原産地証明書をオンラインで発給申請・受領可能に

貿易情報一元化システム「TradeWaltz」、一般原産地証明書をオンラインで発給申請・受領可能に

豊田通商でパイロット活用開始

貿易情報一元化システム「TradeWaltz(トレードワルツ)」を運営しているトレードワルツは6月24日、輸出事業者向けに5月末から日本商工会議所と連携した「一般原産地証明書」のオンライン発給申請・受領機能の提供を始めたと発表した。

新機能は入力済みの契約情報や通関手配情報などを基に、Web上でスムーズかつリモートに使える機能。最初のユーザーとして豊田通商が名古屋商工会議所の協力を得ながらパイロット運用を開始した。

貿易取引上、流通される産品の原産地(どの国で生産されたものか)を証明することは重要な要素となっており、全世界を対象に、輸入国の法律・規則に基づく要請、あるいは契約・信用状の要件として発給される原産地証明書は一般原産地証明書と呼ばれ、各地商工会議所で発給されている。特にL/C(信用状)取引の多いアフリカなど新興地域向け輸出取引では必要となる国が少なくない。

一方で、経済連携協定や自由貿易協定を締結した国・地域(EPA・FTA)同士では「関税」を優遇し合い、互いの商品の販売を促進する動きが加速。各協定による関税優遇措置を受けるために発給される「特定原産地証明書」は協定を多く結ぶEU(欧州連合)、アジアなどでの取引で存在意義が高まっており、経済産業省の指定発給機関・日本商工会議所が発給している。

2020年半ばまで、一般原産地証明書は紙媒体による申請・発給手続きが一般的で、申請者は商工会議所の窓口を訪問し、申請書に記入、提出の上、紙で発給された証明書を申請者自身または代行者(宅配便業者など)が受け取ることが必要だった。その後、日本商工会議所がオンライン発給システムを構築したことによって、一般原産地証明書に関しては20年9月以降、同システムを導入した商工会議所から順次、電子発給に対応してきた。

しかし、自社独自の貿易システムなどに入力したのデータを、オンライン発給システムへ再度入力した上で発給申請し、受領後の証明書データを自社の貿易システムなどに格納する手間が煩雑だった。

そのため、TradeWaltzはオンライン発給システムと連携し、「自社システムからTradeWaltzに連携したデータ」、あるいは「TradeWaltzに入力したデータ」を、そのままオンライン発給システム上で「一般原産地証明書」の発給申請に利用できる機能を構築した。

本来、貿易データのやりとりを行う相手も利用申込が必要なTradeWaltzだが、本機能は輸出者1社でも使えるようにしている。

豊田通商と名古屋商工会議所のパイロット運用の状況を見極めた上で、日本商工会議所や各地商工会議所とも連携しながら、今後名古屋地域での利用企業拡大や、各地商工会議所への展開も検討する。

(藤原秀行)※いずれもトレードワルツ提供

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