より柔軟な改定など検討へ、来夏めどに答申
総務省は7月3日、有識者らで構成する情報通信審議会(総務相の諮問機関)郵政政策部会郵便料金政策委員会の初会合を開き、郵便事業を取り巻く経営環境などの変化を踏まえた郵便料金に関する制度の最適な在り方について議論を開始した。
メールやSNSの普及で郵便の利用機会が減り、国内の郵便物数は2001年度のピークから22年度は4割以上減少。日本郵便による郵便事業の収支が悪化し、22年度には郵政民営化以降で初めて、営業赤字に転落した。
今年10月1日にははがきや封書などの料金を値上げする予定だが、日本郵便は郵政民営化法で郵便ポストの一定数以上の維持や全国均一料金などを規定されており、今後も収支が厳しい状況が続くことが避けられない。現状を踏まえ、総務省は制度自体を抜本的に見直すことにした。
同委は今後、郵便料金を改定する際の手続きや料金算定の基準などについて見直しすべきかどうかを検討する。海外では物価上昇のペースや郵便物数の推移に応じて料金を改定する制度を採用している国もあり、こうした事例も参考にしながら、料金を柔軟に見直せる制度にすべきかどうかを詰める。
総務省は同委が2025年4月に報告書案をまとめ、パブリックコメント(一般からの意見募集)を経て来夏ごろをめどに、正式に総務相へ答申することを想定している。
(藤原秀行)