倉庫・物流業のWMS、5割がクラウド型:搭載希望機能は「自動化・ロボティクスとの統合」が最多

倉庫・物流業のWMS、5割がクラウド型:搭載希望機能は「自動化・ロボティクスとの統合」が最多

ダイアログ調査、「リアルタイム在庫追跡」や「AIによる予測分析」も

在庫・倉庫管理システム「W3 mimosa」を手掛けるダイアログは7月4日、勤務先がWMS(倉庫管理システム)を利用している倉庫・物流業の倉庫管理責任者・現場担当者105人を対象に、WMSの機能と効果に関する実態調査を実施したと発表した。

使っているWMSの形式はクラウド型が5割に上り、クラウド型の利用が広がっている現状を示唆。また、今後WMSに搭載してほしいと感じている機能は「自動化・ロボティクスとの統合」や「リアルタイム在庫追跡」、「AIによる予測分析機能」が目立ち、WMSに対して物流環境を取り巻く環境の変化へ迅速に対応することを強く望んでいることをうかがわせる結果となった。

■調査概要
調査概要:WMSの機能と効果に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年2月22日〜3月1日
有効回答:勤め先でWMSを利用している倉庫・物流業の倉庫管理責任者・現場担当者105人
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない

URL:https://www.dialog-inc.com/

勤め先がWMSを導入した目的を聞いたところ(複数回答可能、n=105)、「在庫管理の効率化」が72.4%でトップ。次いで「出荷ミスの削減」が55.2%、「作業プロセスの最適化」が45.7%と続いた。

WMS導入時に苦労したこと(複数回答可能、n=105)は「自社の業務プロセスに合わせた適切な導入設計」が50.5%で半数に達した。「社員教育や浸透」(41.9%)、「上層部への承認」(28.6%)も目立った。

使っているWMSの形式(複数回答可能、n=105)は「クラウド型」が54.3%、「オンプレミス型」が29.5%、「パッケージ型」が19.0%。クラウド型の普及が進んでいることをうかがわせた。

勤め先のWMSが搭載している機能(複数回答、n=105)を訪ねた結果、「在庫管理」と「出荷管理」がともに81.0%、「ピッキング管理」が78.1%だった。。

この問いで「あてはまるものはない/わからない/答えられない」以外を答えた人を対象に、WMSで最も便利だと感じる機能を質問すると(n=103)、「在庫管理」が44.6%、「ピッキング管理」が20.4%などと続いた。

勤務先のWMSが搭載している機能に満足しているかどうかを聞くと(n=105)、「かなり満足している」が17.2%、「やや満足している」が51.4%で、ある程度満足している向きが7割近くに達していることが浮き彫りとなった。

勤め先の従業員がWMSの機能をしっかりと理解して活用できていると思うかとの問いに対しては(n=105)、「非常にそう思う」が18.1%、「ややそう思う」が49.5%でこちらも6割近くがある程度機能を理解して使っているとみていることが分かった。「あまりそう思わない」も24.8%と一定程度存在した。

この問いで「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、WMSの機能理解のために、会社で取り組んでいることを聞いた結果(複数回答可、n=71)、「マニュアルの提供」が70.4%、「定期的な研修・トレーニング」が46.5%、「サポートデスクやヘルプラインの設置」が35.2%などとなった。

逆に「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した人に、WMSの機能を社員がしっかりと理解して活用できていないと感じる理由を説明してもらったところ(複数回答可、n=30)、「研修や教育が不十分であるため」が66.7%、「マニュアルやドキュメントが不足しているため」が60.0%、「スキルのある従業員が不足しているため」が50.0%などとなった。

今後WMSに搭載してほしいと感じている機能(複数回答可、n=105)は「自動化・ロボティクスとの統合」が51.4%、「リアルタイム在庫追跡」が43.8%、「AIによる予測分析機能」が39.0%などと続いた。

(藤原秀行)※いずれもダイアログ提供

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