BCPやサプライチェーンのリスク管理領域で需要拡大
防災テックベンチャーのSpectee(スペクティ)は7月4日、2020年に提供を開始したAIリアルタイム防災・危機管理サービス「Spectee Pro(スペクティ プロ)」の契約数が1000を突破したと発表した。BCPやサプライチェーンのリスク管理領域で需要が拡大している。
Spectee ProはSNSや気象情報、自動車のプローブ(走行履歴)データ、全国1万台以上の道路・河川カメラなどを解析し、世界で発生する災害や危機を、迅速に収集、可視化、予測している。ユーザーが必要な情報をリアルタイムに通知、独自開発のAI技術やマップ機能などを活用して、正確かつ整理された情報を瞬時に入手できるようにサポート、災害対応やBCPを目的に民間企業・自治体などの利用が広がっている。
Spectee Proの前身の「Spectee」は2011年3月の東日本大震災をきっかけに、SNSを活用することで被災地の状況をより正確に、リアルタイムで届けられるサービスを目指し、開発した。
14年にSNS情報を主としたβ版のリリース後、報道機関で採用が進み、全国のテレビ局や新聞社が使う業界標準のツールとなった。18年の西日本豪雨を受け、自治体や企業でのニーズが高まる中、20年3月に多様な情報を取り込み大幅に進化した「Spectee Pro」が誕生。SNSのみならず、河川や道路カメラ、気象情報、自動車のプローブデータといった様々な情報を収集・解析し、地図と連動して表示することで、被害状況やリスク予測などをひと目でわかりやすく表示する防災・危機管理ソリューションとして刷新した。
その後は、「リアルタイム浸水推定」機能の追加など、災害が起きた際にどのように被害が拡大するかを予測する技術の開発にも着手。災害大国・日本のスタートアップが開発した革新的なAI×防災ソリューションとして海外展開に注力している。
Specteeは現在、Spectee Proの海外展開に向けて、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシアなどで事業の立ち上げを進めている。
(藤原秀行)※いずれもSpectee提供