成田空港、初めて海外から航空燃料輸入受け入れへ

成田空港、初めて海外から航空燃料輸入受け入れへ

国内の供給不足踏まえ、運営会社が対応検討

成田空港を運営している成田国際空港株式会社(NAA)は7月12日、国内の空港で航空燃料が不足している実情を踏まえ、初めて海外から燃料輸入を受け入れる方針を明らかにした。

詳細は検討中だが、航空会社と契約した商社が輸入した上で、NAAグループが千葉市で運営している「千葉港頭石油ターミナル」で荷揚げし、パイプラインで成田空港まで輸送するとみられる。今後、具体的な輸入先などを詰める。

航空燃料は通常、石油元売りが国内で製造したものをタンクローリーや内航船などで各空港に輸送している。

しかし、最近は石油元売りが製油所を統廃合した結果、空港までの輸送距離が長くなった上、4月に始まった長時間労働規制強化でタンクローリー運転手が足りず、内航海運業界も人手不足が深刻化しているため、輸送能力が不足。

新型コロナウイルス禍の沈静化を受け、海外からの来日客(インバウンド)が回復し、各空港への新規就航や増便を希望する海外の航空会社が相次いでいるが、応じられないケースが続出している。

NAAの田村明比古社長は6月の記者会見で、航空燃料不足の影響で、海外の航空会社が1週間当たり計57便の増便や新規就航を見合わせていると説明していた。

政府も6月、官民合同のタスクフォース(作業部会)を設置、対策の議論を急いでおり、近く緊急の対応策を決める見通し。

(藤原秀行)

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