埼玉・草加→茨城・つくば
プロロジスは8月1日、運営中の物流施設の屋根面で生み出した太陽光発電由来の電力のうち、自家消費しきれずに余剰となった分を、電力会社の送電網を使い施設間で融通し合う「自己託送」で他の物流施設に供給する取り組みを始めたと発表した。
余剰自己託送を新たに始めたのは、埼玉県草加市のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク草加」。屋根面に約2.2MWの太陽光発電設備を設置し、作り出した電力を同施設で自家消費、余剰分はZOZOの専用(BTS型)物流施設「プロロジスパークつくば1」(茨城県つくば市)へ自己託送する。
需給管理業務については、デジタルグリッドの支援を受ける。自己託送による再エネ由来電力供給は、プロロジスグループとして第2弾の取り組みとなる。
「プロロジスパーク草加」(プロロジス提供)
第1弾は今年1月1日に開始した、兵庫県で運営中のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク猪名川1」(猪名川町)。同施設に設置している約3.8MW規模の太陽光発電設備で創出した電力を、施設内および隣接の「プロロジスパーク猪名川2」で自家消費し、余剰分を京都府で運営中の「プロロジスパーク京田辺」(京田辺市)に送り込んでいる。
今後、第3弾として、茨城県のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」(古河市)と既存顧客の専用(BTS型)物流施設「プロロジスパーク古河5」でも合計約7.8MWの太陽光発電を稼働させ、同様の取り組みを2025年3月に始める予定。余剰電力は、同じ電力管内でプロロジスが運営する物流施設へ自己託送する。
一般的に自己託送は、発電と消費の場所が異なる(オフサイトでの発電による)全量自己託送が主流。一方、自家消費が前提となる余剰自己託送は国内外を含め、いまだ事例が少なく、その背景として自家消費後に余剰が出るほどの大規模な発電設備が少ない点などがある。
プロロジスは2040年までに、バリューチェーン全体(スコープ1・2・3)で温室効果ガス排出のネットゼロを目標に設定。実現のためのエネルギーマネジメントの一環として、運営する物流施設の電力グリーン化を進めている。
今回活用する「プロロジスパーク草加」「プロロジスパークつくば1」は、太陽光発電の余剰自己託送に加えて、非化石証書を活用することで、施設内で使用する電力は実質的に100%再生可能エネルギー(グリーン電力)かつCO2排出量ゼロとみなせる。
「プロロジスパーク猪名川1」、「プロロジスパーク古河4」、「プロロジスパーク古河5」においても、非化石証書も活用し、100%グリーン化かつ実質CO2排出ゼロにしている。
(藤原秀行)