大和ハウス、全国の商業施設や物流施設などの建設現場で冬期の床コンクリート仕上げ時間3割削減

大和ハウス、全国の商業施設や物流施設などの建設現場で冬期の床コンクリート仕上げ時間3割削減

と太平洋マテリアルと連携、建設現場における働き方改革を促進

大和ハウス工業と太平洋マテリアルは12月2日、大和ハウス工業が全国で展開する商業施設と事業施設の建設現場で、12月ごろから翌年3月ごろの冬期に、床のコンクリート仕上げ時間を約3割削減できる工法を順次導入すると発表した。

工法を取り入れるのはコンクリートを流し込んだ後、コンクリートを固めて表面を滑らかに仕上げる作業。冬期に1日の平均気温が10℃より高い地域(主に九州・沖縄地域)は除く。

新工法を普及させることで深夜作業の削減で建設現場の働き方改革を促進すると同時に、床のコンクリートの品質向上・安定化にもつなげたい考え。


(両社提供)

総務省の2021年の労働力調査によると、建設業就業者数は1997年のピーク時の685万人から2021年には482万人と約30%減少している一方、国土交通省によれば、20年度の建設業における年間総実労働時間は、全産業と比較し約1.2倍に達している。長時間労働の常態化や作業の効率改善の遅れへの対応が急務となっている。

建設現場の負荷軽減の一環として、両社は季節により作業時間が大幅に変動する床のコンクリートの仕上げ時間に着目。2月に大和ハウスが手掛ける物流施設の建設現場で、一部の床でコンクリートの硬化を促進する混和材料「太平洋N-EX neo(ネックス ネオ)」を使用する実証を行った結果、一般的なコンクリートと比較し、仕上げ時間を約10時間から約7時間に縮められたという。

大和ハウスは熟練工のノウハウを可視化するため、床のコンクリートの性能値を含む施工データを数値化し、既に現場に導入している「コンクリート床仕上げロボット」に組み入れることで、省人化の促進や生産性の向上、品質の均一化など建設現場におけるDXを促進することも計画している。

一方、太平洋マテリアルは2023年10月ごろから「太平洋N-EX neo」の一般販売を開始するとともに、コンクリートの低炭素化・脱炭素化に向け、環境配慮型コンクリートの開発に取り組む。

(藤原秀行)

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