アサヒ飲料、兵庫・明石工場の製造能力増強で東日本からの商品転送減らし「2024年問題」対応へ

アサヒ飲料、兵庫・明石工場の製造能力増強で東日本からの商品転送減らし「2024年問題」対応へ

85億円投じPETボトル商品が約2割向上見通し

アサヒ飲料は8月5日、明石工場(兵庫県明石市)に約85億円を投じ、製造棟および業界初となる無菌充填とラベリング工程を連結した設備を含むPETボトル商品の製造ライン「次世代SMART(スマート)・ライン」を新設すると発表した。

稼働開始は今年12月を予定しており、PETボトル商品の製造能力は従来比で約2割向上する見込み。「2024年問題」を受け、東日本エリアからの商品転送を減らし、輸送の短縮などにつなげる。

次世代SMART・ラインは澁谷工業、フジシールの2社と共同で開発したPETボトル商品の製造ライン。従来は個々に分かれていた充填工程とラベリング工程の連結に加え、その他の工程の生産効率向上を図ることで、PETボトル商品の製造能力を増強する。

既存の製造ラインと比較し約60%の人数で稼働が可能となり、約20%の省スペース化も実現できると見込む。設備の連結によりコンベヤーなどを極小化したことから、ボトル搬送に必要な電力は約40%減らせるとみている。

次工程に移動する際の軽量に起因した変形・破損が改善され、PETボトル容器のさらなる軽量化が可能となり、持続可能な容器包装の実現に向けて制定した「容器包装2030」の取り組みも強化する。

スマートなオペレーション業務の確立を目指し、製造工程で発生する廃棄物搬送の自動化や管理日報のペーパーレス化、デジタル技術を活用した品質保証能力の強化など、従業員の生産性向上にも取り組む。

明石工場はPETボトル商品をはじめ、びん・缶商品など年間4700万箱分の商品を製造するアサヒ飲料の基幹工場。これまで、西日本エリアに出荷するPETボトル商品の約3割を東日本エリアの工場からの転送で補っていたが、「カルピスウォーター」の1.5Lを新たに製造するなどPETボトル商品の製造能力を増強し、転送数を削減することで2024年問題への対応や輸送でのCO2排出量削減も図る。


(アサヒ飲料提供)

(藤原秀行)

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