複数店舗の商品IDや店頭機器など一元的に把握、有効な販促活動支援
TOPPANホールディングスは9月11日、傘下のTOPPANデジタルが流通・小売店舗向けにICタグを活用した「スマートシェルフ管理システム」を開発したと発表した。
スマートシェルフは消費者が棚からICタグ付き商品を手に取ると、棚上のアンテナで商品を取ったことを把握し、商品の個別情報を自動認識できるシステム。
ICタグを活用したスマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツの一元管理を実現し、複数店舗の商品管理や販促用配信コンテンツの切り替えなどが容易になると見込む。2025年4月に本格提供を開始する。
流通・小売店舗による消費者行動のマーケティングデータの把握と、スマートシェルフを活用した販促活動を後押しする。
9月11~13日に開催される「第26回 自動認識総合展」に出展する。
「スマートシェルフ管理システム」のイメージ(トッパンHD提供)
流通・小売業界では物流在庫管理用途でICタグを活用したスマートシェルフの導入が進められてきたが、昨今は消費者体験の向上を目的に、店頭における消費者行動に基づいた商品情報の取得や関連コンテンツ配信など商品の販促用途での導入ニーズが高まっている。
2020年よりTOPPANは、流通・小売業界を中心とした商品の販促活動の一環としてスマートシェルフの販売・提供を開始し、導入企業に合わせた筐体の開発やコンテンツの配信、マーケティング戦略の支援などを手掛けてきた。
しかし、現在販売・提供しているスマートシェルフの主流は個々に配信データを登録管理する必要のあるスタンドアローン型で、多店舗展開を行う流通・小売り店舗など、台数や導入店舗が増えるほど、運用更新の手間が増えていくのが課題だった。
スマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツを複数店舗で一元管理可能な「スマートシェルフ管理システム」を開発することで、こうした課題を克服できると見込む。新システムの提供を通じて、スマートシェルフを活用した販促活動の支援をより推進していきたい考え。
1店舗・1セットでの簡易導入だけでなく、複数店舗・複数セットでの本格導入にも対応可能で、複数拠点の商品ID管理や販促用配信コンテンツの切り替えなどが容易になる見通し。
スマートシェルフのICタグからの情報に基づき、消費者が商品を手に取った回数や日時のデータを収集・可視化し、管理システムで集約。商品ごとのデータを管理画面からリアルタイムで確認が可能になる。複数拠点のデータを収集し、人気商品の把握や商品の陳列配置の見直しなど精度の高い分析に貢献できると想定している。
スマートシェルフで利用するICタグはUHF及びNFCの周波数を問わず使用可能のため、新システム採用に際して国内外の各種リーダ機器(低出力、高出力)やアンテナ、各社機器との連携など、商品対象物に合わせたカスタマイズを検討できるようにしている。新システムの導入に合わせてスタッフによる関連機器のコンサルティングやサポートも可能。
価格は1式で50万円からとする予定。PC機器、設置導入サポート費用は含まない。
展示会やモデルルームなど商品を消費者に紹介する会場・施設にも新システムを展開し、提供・関連受注を含めて26年度に10億円の売り上げを目指す。
(藤原秀行)