富洋海運グループ、兵機海運に事前同意なきTOB開始

富洋海運グループ、兵機海運に事前同意なきTOB開始

資本・業務提携交渉入り狙い、20%近くまで取得目指す

外航海運事業を手掛ける富洋海運(東京都中央区新富)は10月18日、100%子会社で資産管理などを担う堂島汽船(大阪市)を通じ、東京証券取引所スタンダード市場に上場している兵機海運の株式公開買い付け(TOB)を同日始めたと発表した。兵機海運から事前にTOBへの同意は得ていないもよう。

買い付け期間は11月29日までで、1株当たり3250円と設定している。10月17日の兵機海運株式の終値(2770円)と比べると約17%のプレミアム(上乗せ)が付いている。

買い付けの予定数と上限は21万3300株で、下限は設けていない。予定数通り買い付けた場合、約6億9300万円となる見通し。

富洋海運はTOBの理由について、兵機海運と資本・業務提携を締結して事業のシナジーを創出することが狙いと説明。今年5月以降、兵機海運に提携の協議を働き掛けたものの、進展がなかったため、TOBに踏み切ることにしたという。

現在、富洋海運は兵機海運株式の1.18%を所有している。TOBで20%近くまで保有比率を高め、提携の交渉入りを促したい考え。

兵機海運は10月18日、TOB開始を確認した上で「本公開買付けに関する当社の意見は決定次第改めてお知らせします」とのコメントを発表、現時点での賛否を明確にしていない。

(藤原秀行)

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