【現地取材】メルカリのスポットワーク紹介サービス、ヤマトが本格利用開始

【現地取材】メルカリのスポットワーク紹介サービス、ヤマトが本格利用開始

登録者800万人突破、中小事業者らの利用も促進へ

メルカリは10月23日、短時間働くことが可能な単発の仕事(スポットワーク)を紹介するサービス「メルカリ ハロ」に関し、中小事業者や個人事業主向けに本格的な提供を開始したと発表した。

メルカリ ハロは今年3月にスタート。登録者数が800万人を超えるなど利用が伸びているため、大手企業以外にもよりサービスを使いやすくして人手不足対応を後押しし、働きたい人や企業の需要をさらに掘り起こしていきたい考え。

メルカリは、新たにヤマト運輸やすしざんまい、電動キックボードシェアリングサービスのLimeがメルカリ ハロの大規模な利用を開始したと公表。このうちヤマトは10月から日本全国の主要エリアで求人をメルカリ ハロに掲載、物流現場の人手不足に対応する。

これまでメルカリ ハロの利用を申し込む際はメルカリの営業担当者に連絡する必要があり、利用可能な事業者も限られていた。今後はメルカリ ハロの専用ウェブサイトで申し込みフォームに入力すれば、メルカリの審査を通過した事業者らが求人を出せるようにする。

ヤマトは今年3月、横浜市の拠点「横浜ベース」でメルカリ ハロを通じた仕分け業務の求人募集を試験的に開始。一定の手応えを得たため、全国に利用を広げることにしたという。


メルカリ ハロのサービス画面

メルカリが同日、東京都内で開催したメルカリ ハロの記者発表会に出席したヤマト厚木ゲートウェイ(神奈川県愛川町)の鈴木英行厚木ベース作業拠点長は「応募者はゲートウェイの近くに住んでいる人が多く、メルカリのフリーマーケット(フリマ)で商品を出品したことがある人が多いため荷物の扱いに慣れており、荷物の仕分けも丁寧で安心している」と評価。

「メルカリ ハロのユーザーは物流現場に関心がある方も多く、ヤマトグループの業務と親和性が高いと考えている。1人でも多くのスポットワーカーが(メルカリ ハロを)利用してくださることで、持続可能な物流ネットワークの実現の一助になる」と述べ、全国での利用による人材確保に期待を寄せた。


ヤマト・鈴木氏

メルカリの太田麻未執行役員は「サービス登録者数と店舗数が順調に伸長する一方で、『求人の数を増やしてほしい』『自宅や職場に近い求人がほしい』といった声があったことから、新規大型求人パートナーによる本格導入と中小・小規模事業者に向けた本格導入の開始によって要望に応えていきたい」と意気込みを示した。最近続発している「闇バイト」による凶悪事件を考慮し、求人内容の厳格な監視などの対策を講じていくことも強調した。


メルカリ・太田氏

Limeは8月から募集していた電動キックボードの倉庫作業スタッフに加え、10月から安全講習のイベントスタッフも募集、メルカリ ハロの利用範囲を拡大していく。Limeの中西かほり事業開発責任者は、職場まで距離があるスキマバイトの求人で働き手が集まりにくい現状を踏まえ、「従業員のラストワンマイル(駅から職場まで)の手段としてLimeを提供する取り組み」を議論していることを明らかにした。


Lime・中西氏

(安藤照乃、藤原秀行)

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