鉄道貨物協会、トラックドライバーが2028年度には27万8000人不足の恐れと予測

鉄道貨物協会、トラックドライバーが2028年度には27万8000人不足の恐れと予測

17年度から17万人超悪化

鉄道貨物輸送の業界団体、鉄道貨物協会(鉄貨協)はこのほど、トラックドライバー需給の将来予測を公表した。

2028年度にはドライバーが27万8072人不足すると試算。17年度から17万4829人悪化すると見込む。

調査は18年に、各種経済統計などを基に推計した。鉄貨協は今後10年程度に関し「貨物輸送量が緩やかに増加すると見込まれる中、ドライバーの需要量も緩やかに増える一方、供給量は年々減少が予測されることから不足数はさらに拡大していく」と展望している。

鉄貨協は14年にも同様の調査結果を実施しており、その際、20年度のドライバー不足規模は10万6211人、30年度は8万5946人と見積もっていた。今回は20年度の不足規模を14万4058人とはじいており、情勢が確実に厳しくなっていることを裏付けた格好だ。


需給バランスの推移(鉄貨協資料より引用)

50歳未満は減少、50歳以上が増加

ドライバーの需要量と供給量を比較し、その差を過不足として算出した。鉄貨協は営業用トラックドライバー数について、試算の結果、普通と中型は17年度推計の65万3594人から7・6%減の60万3741人、大型は33万3864人から12・3%減の29万2695人までそれぞれ落ち込む見通しになったと説明。特に大型のドライバーの減少が目立つ結果となっている。

また、普通と中型、大型のいずれも50歳未満のドライバーが減少する一方、50歳以上のドライバーが増えると予想。高齢化に歯止めが掛かっていない。

鉄貨協は「ドライバー不足がより深刻していく中で、トラック輸送から鉄道コンテナ輸送へのモーダルシフトの期待はますます大きくなろう。しかしながら、鉄道コンテナ輸送においては荷主ニーズに応えきれていない点があり、これらの課題の克服に努めることでより一層の利用促進を実現できることになる」との見方を示した。

(藤原秀行)

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