2機種の機体投入、30haを調査
自社開発の産業用ドローンとクラウドサービスを通じてさまざまなソリューションを提供するエアロセンスは10月25日、今年の9月26、27日の両日、石川県輪島市でドローンを活用した豪雨による被災状況確認の支援活動を実施したと発表した。
支援活動は、国土交通省が佐藤工業に復旧作業を要請し、同社からエアロセンスにドローンを活用した状況確認の協力依頼が寄せられた。主に輪島市打越地区で土砂により通行不可となった道路の復旧に向けた状況確認のために実施した。
9月21日、石川県が輪島市に災害対策本部を設置した後、調査協力の要請を受け、現地に赴き、数日後に調査を行った。
活動を行った石川県輪島市打越地区
打越地区は20~30軒程度の家屋による集落で、豪雨により同地域で多数の土砂崩れが発生し、複数の家屋の倒壊や土砂により道路が寸断された状態にある。
確認の際はマルチコプター型ドロ-ンの「エアロボPPK」と垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)の「エアロボウイング」を投入。およそ30haの地域を上空から撮影し、写真から画像解析処理クラウドソフトの「エアロボクラウド」でオルソ画像(写真上の被写体の位置のずれを解消し、空中写真を地図と同じく真上から見たような正しい大きさと位置に表示される画像に変換したデータ)や点群などを作成、同画像データを被害状況の詳細として佐藤工業に提供した。
デジタルデータが工事計画・見積、発注者との打ち合わせなど、今後の復旧作業に使われる予定。今回の調査では土砂被害が広範囲かつ人の立ち入りが困難な場所が多かったため、長距離・広範囲の飛行が可能なVTOL型ドローンが作業効率と安全面で有効であることが確認できたという。
土砂崩れにより通行不可となった道路の様子
ドローンによる点検を行った地域(約30ヘクタール)のオルソ画像(上)と拡大画像(下)(赤枠が土砂崩れにより通行不可となった道路)
(藤原秀行)※いずれもエアロネクスト提供