政府が経済対策に明記へ、岸田前政権の方針継承
政府は10月30日、成長戦略を協議する「新しい資本主義実現会議」の会合を首相官邸で開催した。石破茂政権が発足してからは初めて。
今後取り組む重点施策として、コスト上昇分を商品やサービスの価格へより適切に転嫁できる環境を整備するため、下請法を早期に改正し、規制対象に荷主企業と物流事業者の取引を追加することなどを打ち出した。
併せて、2020年代に最低賃金を全国平均で1500円まで引き上げるとの政府目標達成に向け、早急に政府と労使双方の代表による意見交換を開催、議論を始めることも示した。
重点施策は近く政府がまとめる経済対策に反映させる。下請法改正をはじめ、内容の多くは岸田文雄前首相が取り組んできたものを継承している。
石破首相は会合で「労務費の価格転嫁を徹底するため、各業界における実態調査とその結果に基づく改善を年末までに完了させるとともに、不適切な事案は独占禁止法と下請法に基づき厳正に対処する」と語った。
重点政策は下請法改正について、燃料費などのコストが上昇している局面で価格を据え置こうとする動きを規制対象に追加したり、関係省庁の指導権限を明記したりすることを想定している。
会合で発言する石破首相(首相官邸ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)