兵機海運が鉄鋼製品手掛ける大和工業グループとの資本・業務提携協議開始を発表

兵機海運が鉄鋼製品手掛ける大和工業グループとの資本・業務提携協議開始を発表

「業容拡大で有効」と説明、TOB中の富洋海運側に対抗狙いも?

兵機海運は10月31日、鉄鋼製品の製造・販売などを手掛ける大和工業グループと資本・業務提携の協議を開始することで合意したと発表した。

大和工業グループは、事業を統括する大和工業(兵庫県姫路市)と、鉄鋼製品や重工加工品の製造・販売を担うヤマトスチール(同)。

大和工業グループは今年9月末時点で兵機海運の発行済み株式の0.84%を所有している。

大和工業グループは圧延ミルの増産を目指しており、兵機海運は同社の海上輸送網を活用することで製品出荷や主原料の鉄スクラップの輸送効率化などを図ることが可能と説明。「将来にわたっての業容拡大を目指すうえで、大和グループとの資本関係と業務提携をさらに深めることが有効と考えた」と強調している。

具体的な出資の形態や金額など詳細は今後詰める。

兵機海運をめぐっては、外航海運事業を手掛ける富洋海運グループがTOB(株式公開買い付け)を実施しており、株式保有比率を20%近くまで上げることを目指している。

兵機海運は10月30日、TOBについて、事前に富洋海運側から明確な説明がなかったことを明らかにした上で、取締役会として賛否の意見表明を留保すると発表していた。

大和工業グループとの提携協議の開示に際し、兵機海運は富洋海運グループのTOBについて一切言及していないが、富洋海運グループに対抗する狙いもあるとみられる。

(藤原秀行)

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