日本初の設備導入、ダイフクと共同開発
生活協同組合コープさっぽろは11月6日、関連会社で物流事業を展開する北海道ロジサービス(北海道江別市)が、荷物の仕分け工程に半自動積み付け設備「エルゴローディングシステム」 を11月10日に導入すると発表した。コープさっぽろは同設備の採用は国内で初めてと説明している。
伸長を続けるコープさっぽろの店舗・宅配事業を支える物流機能としての効率化が求められる中、マザーセンターの江別物流センター(同)は既存設備の老朽化に伴うメンテナンスコストの上昇や、人材確保の困難さなどの課題解決のため、2021年に物流設備リニューアルの検討を開始。省人化・省力化を重視し、26年までの長期プロジェクトを進めている。
22年から店舗向け倉庫設備で既存作業を継続しながら、同じ倉庫内で新設備の設置工事を開始し、今年11月に完成。店舗向け食品、日用品の仕分け機能として、作業負担を大幅に軽減させる設備の稼働に踏み切る。
同設備はダイフクと共同開発を進めたもので、各店舗から発注を受けた商品を搬送用のかご台車に仕分け、積み付けする作業を半自動化することで、作業者が商品を持つ、運ぶといった身体負荷が高い作業を大幅に軽減できると見込む。
導入効果は従来比で約45%の人時削減を目標に設定している。
同設備は発注商品の搬送やかご台車へ積み付ける工程を自働化し、作業者は定位置の作業台上で、ディスプレイに表示された指示通り、手元に流れてきた商品をかご台車サイズの枠にはめていく作業を行うことで店舗別仕分けが完成する。
店舗単位の最適積み付けシミュレーションを基に商品を積み付けることで、従来設備で発生していた、荷崩れ防止のために考えながら積み付けする作業や、積み直し作業を解消され、作業習熟度を考慮しない作業を実現できると想定している。
コープさっぽろは今後、同設備を駆使し、店舗の通路別の商品陳列に合わせた納品も検討する。また、今年12月までに、残る店舗仕分設備の設置を完了、旧設備の撤去後に生まれた倉庫内スペースを活用し、宅配用仕分設備の新設移動を26年度に完成させることを目指す。
半自働化設備「エルゴローディングシステム」
ディスプレイに指示された通りに箱を積む様子
システムを使うことで効率良く積み付けが可能に
モニター画面に次の箱をどこに積むか指示が表示される(いずれもコープさっぽろ提供)
(藤原秀行)