大和ライフネクストが実証実験の途中経過公表、負荷低減を確認
大和ハウスグループでマンション・ビル管理を手掛ける大和ライフネクストは11月25日、管理を担っているマンションの各戸に届いた荷物を管理人が集約し、まとめて配達する「マンション内配送サービス」の実証実験の途中経過をメディア向けに公表した。
実験は宅配大手3社と連携し、東京都中央区の分譲マンション(約200戸)で11月11日に開始。管理員が荷物をまず全住戸分一括で受け取り、マンション内に設置する専用倉庫に納品。その上で、管理員が各住戸に荷物を届けている。
配達の効率化と再配達解消が狙いで、マンションの利便性向上で物件自体の価値を高める狙いもある。期間は2025年1月末までの予定。
実験の様子(大和ライフネクスト提供)
大和ライフネクストによると、11月21日までの実験の結果、宅配会社の荷物配送時間は最も荷物量が多い第1便で従来の平均41分から、5~10分と大幅に短縮。配達員が1日当たり実験をしているマンションを訪れる回数も平均3.7回から2回へ減少しており、業務負荷低減の効果を確認しているという。荷物配送時間は実験をしているマンション以外に届くものも含めている。
同社は、エントランスのインターホンから各戸への往復など、配達員の負担増につながる要素が解消できていることが背景にあると分析。実験の成果と課題を踏まえ、2025年度内のサービス開始を目指す方針を明らかにした。
今後は正式なサービス展開に向け、実証実験で対象外としている冷凍・冷蔵の荷物も取り扱うことを検討するほか、より規模の大きなマンションでも対応できるようにすることを念頭に置いている。また、建物内配送を担うことで管理員の給与上昇につなげられるようにするとともに、居住者にスマートフォンアプリを使った不在連絡なども想定している。
(藤原秀行)