モニターからの情報収集に活用、安定した高速読み取り実現
バーコードなどの高速・高精度読み取り技術を手掛けるスイスのスタートアップScandit(スキャンディット)の日本法人スキャンディットは11月26日、マーケティング調査大手インテージがリサーチデータ収集用に自社開発したAndroidおよびiOSアプリ向けにソフトウエア開発キット(SDK)「Scandit Barcode Scanner SDK」を採用したと発表した。
インテージは、1990年代は専用のバーコード読み取り装置を利用し、電話回線を使ったデータ送信を通じて、調査モニターからのデータを収集していた。その後はインターネットやスマートフォンの普及に対応するため、2012年に「CueScanner」というAndroidアプリを開発し、調査モニターに提供してリサーチデータを集めてきた。
当時のAndroid対応スマートフォンは、機種が多くOSのバージョンもばらつきがあり、開発に使っていたオープンソースライブラリの対応が煩雑だったため、オープンソースではなく開発元のサポートが得られる商用向けのスキャン用ソフトの導入を検討していた。
1〜2カ月を費やして市販の複数のバーコードスキャン・ソフトウェア・ソリューションを比較検討した結果、Androidのバージョンや機種が変わっても正確に読み取れるScandit Barcode Scanner SDKの採用を決めた。
インテージはSDK採用決定後、数カ月でAndroid版の「CueScanner」をリリースし、使い勝手が良く、安定した高速バーコードスキャンを実現したという。そのため、IOS版の開発でも同じSDKを取り入れた。
「CueScanner」は調査モニターがスマートフォンで読み取った購買商品のバーコード・データをPCで送信する必要があった。インテージはスマートフォンだけでデータ読み取りおよび送信を完結したいという調査モニターの要望に応えるため、対応アプリ「ショピレコ」を開発。このアプリにもScandit Barcode Scanner SDKを採用した。
現在は調査モニターの約半数が「ショピレコ」を使って日々の購買データを送信しているという。
(藤原秀行)