15年半ぶり、運送会社へ時間外料金支払わないなど不当行為疑い
公正取引委員会は11月28日、オフィス家具大手のイトーキに対し、商品の配送を委託している複数の運送会社に正当な料金を支払わなかったことなどが独占禁止法違反(不公正な取引方法)に該当する恐れがあると警告した。
公取委はイトーキの一連の行為が、荷主側の不公正な取引方法を定めた「物流特殊指定」に該当すると判断、今後同様の行為を行わないよう要求した。
物流特集指定を適用して警告を出したのは2009年4月以来、3件目で約15年半ぶりとなった。公取委は引き続き、物流業界の不公正な取引改善に注力する。
公取委によると、イトーキは配送業務を委託している物流事業者約20社に対し、契約で定めている業務時間外に業務をさせていたにも関わらず時間外料金を支払っていなかったほか、イトーキの物流倉庫で夜間に付帯作業としてトラックへの商品積み込みや梱包材の引き渡しを無償でさせていた疑いがあるという。
イトーキは同日、「今回の行政指導(警告)を極めて重く受けとめており、委託先物流事業者との取引適正化に向けた取り組みを全社をあげて推進し、適切な関係の構築を進めてまいります。委託先物流事業者をはじめ、お客様、お取引先様、関係者の皆様には、多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪するコメントを発表。
過去の不払い分の料金を委託先業者に支払うとともに、運賃体系の見直し、コンプライアンスの教育徹底などを図る方針を強調した。
(藤原秀行)