テラドローングループ、マレーシアの大規模パーム農園で高精度ドローン活用したミノムシ防除開始

テラドローングループ、マレーシアの大規模パーム農園で高精度ドローン活用したミノムシ防除開始

約3500haをカバー、農薬均一散布可能

Terra Drone(テラドローン)は12月24日、マレーシアの子会社Terra Drone Agri(テラドローン・アグリ)が12月、東京ドーム約760個分に相当する3548.46haの大規模パーム農園で、ドローンを活用し、害虫のミノムシの防除を目的とした病害虫の総合的管理を開始したと発表した。

複数の政府関連企業や民間農園機関と連携し、マレーシア全土で実施する予定。


肥料散布用ドローンのテラアグリG30

ミノムシは放置すると葉が枯れてしまい、収穫量の減少を引き起こす可能性がある。テラドローン・アグリは駆除のために最先端のドローンを導入。ドローンには精密に制御可能なノズルを搭載しており、均一な農薬の散布が難しいと言われている、段差のあるパーム農園の地形でも、農薬を均一に高精度で散布できるという。

農薬メーカーで日本農薬や丸紅、マレーシア全国農業者連盟(NAFAS)が出資者に名を連ねている日本とマレーシアのジョイントベンチャーAgricultural Chemicals(アグリカルチュアル・ケミカルズ、ACM)や、マレーシアの農業技術企業S&H Techventure(S&Hテックベンチャー)と連携し、各社が提供するTAKUMIやMagnetikといった特化型の農薬製品を使用している。

各農薬を必要な箇所にドローンからピンポイントで散布することで、環境への影響を最小限に抑えつつ、効果的な害虫防除を実現する。さらにテラドローン・アグリのドローンを活用することで、害虫発生に対する迅速な対応が可能となり、労働コストや農薬の無駄も削減できると見込む。


テラドローン・アグリとACMのフライトデモの様子

この取り組みを通じて、テラドローン・アグリは、最新技術によって重要な農業課題を解決し、長期的に生産性と持続可能性を高めマレーシア農業の改革を後押ししたい考え。

併せて、ドローン技術と農薬の専門知識を組み合わせることで、効率的かつ正確な農薬散布により深刻な害虫問題に対応し、農業分野におけるイノベーションと卓越性を推進、業界の課題に対する解決策を提供していく構えだ。

(藤原秀行)※いずれもテラドローン提供

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