大量一括処理可能、物流など多様な現場の業務効率化図る
バーコードリーダー開発を手掛ける東京証券取引所グロース市場上場のアスタリスクは12月27日、スマートフォンのカメラを使って画像認識で簡単に情報を読み取り、多くの情報量を保持できる独自の二次元コード「AsCode」と、画像認識を使った専用のソフトデコーダーを開発したと発表した。
開発の背景として、従来のバーコードは、保持できるデータ量が限定されているのに加え、レーザーなどの専用機で1つずつ読み取ることを前提に設計されていたため、スマホでの読み取りには距離や速度など、いくつかの課題を抱えていたと指摘。
二次元コードも光学的な読み取りを前提に設計されているため、情報量を増やすとビットが小さくなりやすく、1つずつの読み取りには問題がないものの、大量のコードを一度に処理する場面では効率が低下するという弱点があったと説明している。
アスタリスクは独自に、画像認識による大量一括読み取りに向いた大容量の情報を保持できる二次元コード「AsCode」と専用読み取りデコーダーを開発。スマホのカメラを使ったスムーズな読み取りに加え、複数コードの一括読みや高速読み取りも可能にした。
(いずれもアスタリスク提供)
「AsCode」は大量のデータを効率的に整理・管理することで、日々変動する価格管理や在庫管理、顧客データ分析、物流追跡など多様な用途で活用できると想定。データの正確性が向上し、情報の可視化とリアルタイム活用を実現できると見込む。同社は流通、小売、物流、エンターテインメントといった幅広い産業分野で活用することが可能と想定している。
複数の「AsCode」を瞬時に一括認識できるため、歩きながらスマホをかざすだけで棚卸し、売価チェック、検品作業などを済ませられる。たくさんの情報が保持できるので、製品コード以外にも賞味期限やロット番号、その他様々な情報を基にコード作成が可能という。
展示会やイベントの入場管理では、従来であれば来場者が持参しているバーコードを1人ずつスキャンで読み取り照合してきたが、来場者が足を止めることなくスムーズに入場できるウォークスルー型システムを実現できると見込む。
(藤原秀行)