店舗でスマホをタッチすればクーポンなど即座に入手可能、マーケティングに活用想定
KDDIや電通グループが出資し、デジタルマーケティング事業などを手掛けるSupershipは5月28日、米RFIDタグ最大手のAvery Dennison(エイブリィ・デニソン)と、NFC(近距離無線通信)タグの商品化に成功したと発表した。
NFC(近距離無線通信)はRFIDに基づくワイヤレス技術で、スマートフォンとNFCの非接触通信を可能にする。
RFID技術やNFC技術に関連する製品・ソリューションをグローバルで展開しているAvery Dennisonは最先端技術を駆使し、コスト削減、読み取り精度の向上、タグの小型化を実現、NFC市場の急成長をグローバルで牽引している。
一方、Supershipは、店舗を訪れた消費者自身のスマホをNFCにタッチすれば、“ワクワク”するような演出やクーポンなどの特典を受け取ることが可能な、店舗型リテールメディアソリューション「Supership Touch Gift(タッチギフト)」を提供している。
タッチギフトの開発・提供に際し、Supershipはデータ活用などで培ったノウハウと知見を踏まえ、新たにNFC技術で情報を読み取るNFCタグ搭載の専用什器の設計・開発に着手した。
あらゆるチップやNFCを使って調査・検証を繰り返す中で、市場に流通している既製のNFCタグには、サービスの拡大性や反応・形状・セキュリティ対応面でSupershipが求めるクオリティを十分に満たすものが存在しなかったため、Avery Dennisonとタッグを組むことにした。
新たなNFCは、Avery Dennisonが提供しているNFCソリューション「HF RFIDインレイ: Racetrack」シリーズを、流通・小売・アパレル事業者など向けに改良を加え、新たにAvery DennisonとSupershipが商品化した。
タグは高いセキュリティー性能を備え、コンパクトかつ柔軟性に富み、店内のあらゆる場所で簡単に設置することが可能。さらに、広範囲な読み取りを実現する機能を持ちながら開発・製造コストを抑えることにも成功した。
NFC技術の用途は、これまで一般的だったウェブブラウザ起動など端末側での一時的なイベント発動に加え、割引クーポンの配布やポイントの付与といった不正対策を要する高セキュリティ環境下での恒常的なサービス提供に至るまで拡大できたと想定。タッチギフトを安心して利用できるようにしていきたい考え。
NFCのイメージ
新たなNFCを活用することで、来店者は店内に設置されたNFCタグ搭載の専用什器にスマホをタッチすれば即座に情報を受け取り、店舗内で特別な体験を楽しめるという。
店舗の各所に設置可能なNFC内蔵の販促物のイメージ
(藤原秀行)※いずれもSupership提供