3月開始予定、中堅・中小企業も利用しやすく
沖電気工業(OKI)は1月20日、製品や設備などの保管場所と個数を容易かつ迅速に把握できる自動管理システム「SHO-XYZ(ショザイ)」の提供を3月に始めると発表した。
管理対象の物にQRコードやRFタグなどを貼り付け、リーダーに接続したスマートフォンの専用アプリでデータを読み込めば、保管場所や在庫数を確認できる。入出荷した際に商品の種類や個数などの情報をスマホ上でシステムに登録することで、WMS(倉庫管理システム)のない中小規模の工場や倉庫でも、在庫の所在と個数を共有、適正に管理できる。
リーダーなどは汎用品を使えるようにしており、サービスの利用料は月額5万円からと割安に抑え、設備投資のハードルが高い中堅・中小企業でも導入しやすくなるよう配慮している。
OKIの自社倉庫で試験的に導入したところ、物を探す作業の時間を75%削減することができたという。OKIは新システムの利用を促進し、「2024年問題」の対応として政府から強く求められている荷待ち・荷役時間の短縮を後押ししていくことを想定している。
2028年度までに累計13億円の販売を目指す。26年以降、アジアなど海外でもサービスを展開していきたい考えだ。
システムの概要
アプリの画面イメージ。工場や倉庫の地図上に対象の物の所在を表示する(左)。出荷指示を分かりやすく把握できる(右)(いずれもOKI提供)
商品などにタグを取り付け、フォークリフトなどの輸送機器にリーダーを後付けで設置すれば、工場や倉庫内を搬送している際に、商品などの動きをシステム上で、リアルタイムで追跡ができる。屋内にビーコンを設置し、物の位置を把握することにも対応する。
人手不足の深刻化と外国人従業員の増加に備え、アプリ上で日本語以外の言語も表示できるようにしている。
東京都内の本社で記者会見したOKIイノベーション事業開発センターの吉原和英チームマネージャーは「倉庫内の荷物移動のデータで業務の運用改善につなげられる分析ツールも2025年度中には提供を始められるようにしたい」と機能拡充に意欲を見せた。
(藤原秀行)