26年の実用化目指す
三菱ふそうトラック・バスは1月28日、EV(電気)小型トラック「eCanter」の使用済みバッテリーを蓄電システムに再利用(リユース)する「バッテリーセカンドライフ」の実証実験を2月に始めると発表した。
次世代型蓄電池の開発を行うCONNEXX SYSTEMS(京都府精華町)と共同で実施。「eCanter」従来型モデルの使用済みバッテリーを車両から取り外し、CONNEXX SYSTEMSが開発するEV用充電器一体型の蓄電システム「EnePOND EV Charger(仮称)」の電源として再利用することを目指す。
三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMSは実証で「EnePOND EV Charger」の実用性を検証し、使用済みの「eCanter」バッテリー再利用の用途を確立、2026年に実用化したい考えだ。
「eCanter」と「EnePOND EV Charger」(イメージ)
「EnePOND EV Charger」は複数台のEVを同時に充電する際、既存の配電網への負荷を軽減し、停電時にもEV充電を可能にするのが特徴。使用済みEVバッテリーを再利用することで、低コストかつ短期間で充電インフラを拡充できるようになると見込む。使用済みEVバッテリーの寿命を大幅に伸長させることも可能になると想定している。
2月から京都府向日市の市役所に「EnePOND EV Charger」を設置し、市のEV公用車の充電に使用する予定。2025年中盤をめどに、三菱ふそうの川崎製作所(川崎市)構内でも「EnePOND EV Charger」をEVトラックなどの充電に活用することを念頭に置いている。バッテリーを徹底的に有効活用する「バッテリーライフサイクルマネジメント」を達成することを志向している。
「バッテリーライフサイクルマネジメント」のイメージ
「EnePOND EV Charger」の外観
(藤原秀行)※いずれも三菱ふそうトラック・バス提供