【現地取材・動画】トラスコ中山、愛知・北名古屋で8.9万㎡の自社最大物流拠点が竣工

【現地取材・動画】トラスコ中山、愛知・北名古屋で8.9万㎡の自社最大物流拠点が竣工

自動化機器を積極導入、100万アイテム在庫・1日10万行の出荷実現

機械工具卸大手のトラスコ中山は2月4日、愛知県北名古屋市で新たな物流拠点「プラネット愛知」の竣工式典を開催した。

同社では29カ所目の物流拠点で、地上4階建て、延床面積は2万6802坪(8万8602㎡)と東京ドーム約2個分の広さに相当。同社では最大規模となる。免震構造を採用、BCP対応に注力している。

 
 

「物流2024年問題」やトラックドライバー不足など物流を取り巻く状況が厳しくなっているのを踏まえ、自動倉庫をはじめ自動化機器を積極的に取り入れ、工具など約100万アイテムの在庫を効率的に保管できるようにするとともに、1日約10万行の出荷を実現することを計画している。出荷可能額は年間で最大1000億円まで拡大することを想定している。

今年末までに自動化機器を順次導入し、稼働開始は2026年7月を予定している。


プラネット愛知の全景(トラスコ中山提供)


プラネット愛知の外観


エントランス

「プラネット愛知」はJR名古屋駅から約10km(車で20分)のエリアに位置し、名古屋高速の春日ICからも約1.7km。中部圏を軸に広域の配送をカバーできると見込む。

 
 

トラスコ中山は在庫を豊富に持ち、インターネット通販業者やホームセンターなどへ迅速に商品を送り届けるとともに、工事現場などから注文した購入者に対して1つの箱に商品を積み合わせて効率的に直送するサービス「ニアワセ+ユーチョク」にも注力している。大型の「プラネット愛知」を稼働させ、より多品種のアイテムを在庫できるようにするとともに出荷能力も飛躍的に高める。

自動化・省力化も積極的に推進する。敷地内にトラスコ中山としては初めて、危険物を保管できるダイフク製の自動倉庫を開設。パレット396枚分の商品を格納できるようにする。危険物管理が必要な商品の需要増に対応する。


自動倉庫を導入する予定の危険物倉庫

倉庫エリアの1階にはダイフク製の長尺パレット自動倉庫と荷合わせステーション、クロスベルトソーター、シャトルラック、米Sealed Air(シールドエアー)製の高速自動梱包出荷ライン、イタリアのPANOTEC(パノテック)製自動製函機をそれぞれ配置。

2階にもダイフク製のパレット自動倉庫、3階には仏Exotec(エグゾテック)製の3次元ピッキングシステム、ダイフク製バケット自動倉庫、ノルウェーのAutoStore(オートストア)製高密度ロボット収納システムをそれぞれ採用する。トラスコ中山は出荷全体の約7割をこうした物流設備で対応できるようにすることを念頭に置いている。


1階の長尺パレット自動倉庫設置予定スペース

 
 


3階のパレット自動倉庫設置予定スペース

また、働きやすい環境を整えるため、施設内には従業員向けの食堂と託児所を併設。同社正社員の調理師、栄養士、保育士が常駐する。

さらに、事務棟には名古屋大学と連携し、物流システムの研究室を開設する予定。両者は2021年6月に包括的な産学連携協定を締結した。

竣工式典であいさつしたトラスコ中山の中山哲也社長は、プラネット愛知でBCP対応強化を図る方針を示し、「どんな災害が起こっても商品を途切れさせず供給する役割を務めることができる」と強調した。


食堂


併設している託児所

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事