1400億円想定、半導体関連などの物流需要獲得し海外事業拡大図る
SGホールディングス(HD)は2月7日、航空フォワーディング事業などを手掛ける台湾の物流大手Morrison Express Worldwide Corporation(モリソン・エクスプレス・ワールドワイド)を買収すると発表した。
同日付で株式譲渡契約を締結した。SGHDのグループ会社を通じ、今年7月1日付で全株式を取得する。取得額は現時点で9億ドル(約1400億円)の予定。
モリソンは1972年発足。欧米やアジアに90超の拠点を構え、航空貨物輸送を中心に事業を伸ばしており、半導体関連や電子機器などの取り扱いを得意としている。グローバルで6000社以上と取引しており、2024年12月期の連結売上高は9億3737万ドル(約1450億円)、営業利益は3517万ドル(約55億円)だった。
SGHDは2014年、スリランカの物流大手エクスポランカを買収。24年には低温物流に強みを持つC&Fロジホールディングスを約1230億円で買収する意向を発表するなど、国内外でM&Aに乗り出している。2年連続で1000億円を超える大型買収に踏み切った。
現行の長期ビジョンで22030年度の連結営業収益(売上高に相当)を2.2兆円まで高めるとの目標達成に向けた方策の一環に、グローバル物流の基盤拡大を盛り込んでおり、モリソン買収もその一環だ。
SGHDはモリソンを傘下に収め、ハイテク産業などの物流需要に対応、海外事業の拡大を図る。エクスポランカ傘下で国際物流を手掛けているEFLグローバルとも連携することを視野に入れている。米国でサービスのブランドを統一するかどうかなどに関しては今後詰める。
東京都内で2月7日に記者会見したSGHDの松本秀一社長は、モリソンを子会社化することなどで、30年度にグローバル物流の営業収益を約6000億円まで伸ばしていくとの目標に言及。「(買収の)シナジー効果を早期に最大化できるよう取り組んでいきたい」と述べた。
会見する松本社長
(藤原秀行)