乾汽船の買収防衛策導入、株主総会の賛成5割超にとどまる

乾汽船の買収防衛策導入、株主総会の賛成5割超にとどまる

筆頭株主のアルファレオHDは反対か

乾汽船は6月24日、東京都内で今月21日に開いた定時株主総会の議案に対する賛否の状況をまとめた「臨時報告書」を関東財務局に提出した。

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当日会社側が提出し、原案通り可決承認された4議案のうち、保有割合が3割以上となる株式買い付けを対象とする買収防衛策の導入に関しては議決権ベースで賛成が全体の58・74%にとどまった。

6月14日時点で同社株式の25・58%を保有する筆頭株主の資産運用会社アルファレオホールディングス(HD)は総会前に導入反対の意向を表明しており、総会でも反対票を投じたとみられる。

否決には至らなかったものの、海外の機関投資家らが批判している買収防衛策導入について、乾汽船の株主間でも懸念が根強いことが浮き彫りとなった格好だ。同社経営陣は今後慎重な対応を迫られそうだ。

総会では、会社側の期末配当に関する提案に対し、さらに金額を上積みするよう求める動議が株主から提出され、賛成は37・46%に上ったものの否決された。動議を出した株主の具体名は不明だが、アルファレオHDの可能性が大きい。

また、取締役5人の再任については、乾康之社長への賛成は66・57%で、18年の定時株主総会時の75・92%から10ポイント近く低下。乾隆志取締役ら残る4人への賛成も70・46~70・59%でやはり18年の75・86~76・25%から下がった。

アルファレオHDは取締役5人の再任にも総会前に反対を明言しており、他の株主から幅広い賛同は得られなかったものの、一定の影を落とした形だ。

(藤原秀行)

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