近畿の小規模郵便局、8割の140カ所で不適切な配達時点呼が判明

近畿の小規模郵便局、8割の140カ所で不適切な配達時点呼が判明

そもそも実施しないケースも、全国を調査

日本郵便は3月11日、近畿支社管内の小野郵便局(兵庫県小野市)の「東条旧集配センター」で、法定の点呼業務を適切に実施しないままま郵便物などの配達を行っていたことを1月下旬に確認したと発表した。

同社が当該事例を踏まえ、近畿支社管内で配達などのみ担っている同規模の郵便局178カ所を対象に、1週間の点呼業務執行状況を調査した結果、期間中に点呼で何らかの不備があったのが約8割の140カ所に上った。点呼を行っていなかったり、虚偽の点呼記録があったりしたという。

 
 

貨物自動車運送事業法は省令で貨物運送事業者に対し、業務の際、安全確保のためドライバーの健康状態や飲酒の有無を確かめる点呼を実施するよう義務付けている。違反が判明すれば車両使用停止など行政処分の対象となり得る。

日本郵便によると、東条旧集配センターでは数年前から点呼に不備があり、点呼を行っていなかったり、行っているように記録を偽ったりしていた。1月下旬に報道機関から同社へ問い合わせがあり、東条旧集配センターを調べたところ、問題があったことが分かったという。現在、東条旧集配センターには国土交通省近畿運輸局が監査に入っており、調査している。

同日、オンラインで記者会見した日本郵便の古閑圭一郵便・物流業務部長は、東条旧集配センターで不正が起きた背景として「点呼をしなければいけない理由の認識が不十分だった。再発防止へ適切に指導していきたい」と説明、謝罪した。

現在、東条旧集配センターなどで不備の具体的な内容や回数、頻度を調べている。併せて、3月から全国の郵便局約3200カ所についても点呼業務執行状況を調査しており、日本郵便は並行して関係者への聞き取りも行った上で、4月以降に結果を取りまとめ、国交省に報告する予定。

(藤原秀行)

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