公取委、洋菓子大手のシャトレーゼに下請法違反で再発防止勧告

公取委、洋菓子大手のシャトレーゼに下請法違反で再発防止勧告

菓子箱や原料を指定日過ぎても受け取らず、2400万円相当に

公正取引委員会は3月27日、洋菓子製造・販売大手のシャトレーゼ(山梨県甲府市)に対し、包装資材などの製造の委託先から指定した日までに正当な理由がなく製品を受け取らなかったことなどが、下請法に違反しているとして再発防止を勧告した。

公取委によると、シャトレーゼは委託先11社から、菓子を入れる箱や、香料などの原料を指定した期日を過ぎても受け取らなかった。2024年12月末時点で受け取っていなかったのは約2400万円相当に上っていた。

 
 

シャトレーゼは製造委託分について、委託先に無償で保管させた上で、期日を過ぎてから商品の売れ行きを踏まえて納品させていた。自社の在庫保管の負荷を減らす狙いがあったもよう。

受け取っていなかった製品の中で、期日から1年以上経過したものは約1300万円分に達しており、発注先が廃棄せざるを得なかったものもあったようだ。

公取委はシャトレーゼの一連の行為が、下請法で禁じている「受領拒否」や「不当な経済上の利益の提供要請」に該当すると判断した。

シャトレーゼは3月27日、古屋勇治社長名で「当社の下請法に関する認識の不足、ならびにリスクの抑制・モニタリングの不備に起因するものと大変重く受け止めています。お取引先ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを心より深くおわび申し上げます」とのコメントを発表、謝罪した。

同社は取引先と協議して決める年間発注計画表に則って発行している「仕掛依頼書」が本来、製造のリードタイムが長い製品について余裕を持って取引できるよう、使用する見込みの時期などの情報を共有するためのものだったが、現場では実質的に納期までの製造を依頼する「発注書」として用いており、その後出る「発注書」は「出荷依頼」に相当する役割を担っていたと釈明。

「仕掛依頼」を廃止して「発注依頼」に変更することで、発注時に依頼した納期に全て受け取る運用に切り替えたと強調している。

 
 

(藤原秀行)

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