顔認識で出退勤を記録して運行管理者の負担軽減
大阪を地盤とする地場系有力運送事業者の丸協運輸(大阪・東大阪市)が、今年度から大阪・東京・神戸・鳥栖の4拠点でソフトバンク製の感情認識ヒューマノイドロボット「Pepper(ペッパー)」をテスト導入している。
現行の法律にのっとり点呼業務は運行管理者が行っているが、ペッパーは出退勤を記録するツールと位置付ける。将来的には夜間点呼の人材不足、運行管理者の急な体調不良や欠勤を補い業務負担の軽減につなげたい考え。
テスト導入中の「Pepper」(丸協運輸提供)
ドライバーはペッパーの画面指示に従い「乗車前」もしくは「乗車後」を選択。ペッパーはあらかじめ登録されているドライバーを顔認識によって出退勤を記録し、データは社内のパソコンと紙の記録簿で管理する。
ドライバーの出退勤はメールで運行管理者のスマートフォンなどの端末に送信されることから、特に夜間点呼では有効な補助ツールになると期待を寄せる。今後は法改正の動向を見ながら設置拠点の拡大も検討していく。
このほか先ごろ大阪・門真市の「関西ロジスティクスセンター」で作業中の腰部保護を目的にパワーアシストスーツを数台導入。荷役作業時に発症しやすい腰のけが予防や腰痛に悩む従業員の負担軽減を図る。今後も「働き方改革」に向けてさまざまな新技術を積極的に取り入れていく方針だ。
(鳥羽俊一)