官民検討会の報告書受け、民間投資後押し図る
国土交通省は4月9日、「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」(座長・大島弘明流通経済大学流通情報学部教授)が取りまとめた報告書を公表した。
検討会は有識者やエコノミストのほか、日本倉庫協会や全国トラックターミナル協会、日本冷蔵倉庫協会、不動産協会など関係団体や物流企業幹部らが参加。国交省と経済産業、農林水産の計3省の幹部がオブザーバーとして名を連ねている。
報告書は「物流の効率化のためには、十分な機能を有する物流拠点が適切に配置されることが不可欠」との問題意識を基に、物流拠点への民間投資を後押しすることが重要との認識を強調。特に湾岸エリアで物流拠点の供給が不足していることや、老朽化している物流拠点が顕在化していることなどを課題と捉えている。
今後進めるべき政策の方向性として、物流拠点の整備に関する国の方針策定、長距離幹線輸送の中継輸送などの機能を持つ「基幹物流拠点」の整備促進、公共性の高い物流拠点の整備・再構築の推進の3点を列挙している。
具体策として、臨港地区で輸入に対応するなど公共性が高い物流拠点を対象に各種税制優遇などの支援措置を講じることや、支援対象を営業倉庫以外の賃貸型物流施設などにも広げていくことなどを検討するよう提案している。
また、基幹物流拠点を開発する際、地方自治体もプロジェクトに加わり、地域の活性化などにつながる拠点にできるよう配慮することもうたっている。
報告書を受け、国交省などは今後、物流が抱える課題解決などに貢献し得る物流拠点整備の促進について、国としての方針の取りまとめ作業を本格化させる。
(藤原秀行)、