合併向け環境整備図る、初の敵対的M&Aは新たな局面に
Jリートのスターアジア不動産投資法人の資産運用を担うスターアジア投資顧問は7月1日、グループのライオンパートナーズが、同じくJリートのさくら総合リート投資法人の投資主総会(企業の株主総会に相当)を8月30日に実施すると発表した。
ライオンパートナーズはさくら総合の投資口を3・59%保有している。スターアジアはさくら総合との合併を目指しており、総会では環境整備に向け、さくら総合の村中誠執行役員解任、さくら不動産投資顧問によるさくら総合の資産運用委託契約解約などを提案する予定。Jリート初の敵対的なM&A(合併・買収)になるとみられる案件は新たな局面を迎えている。
さくら総合は事前に説明がなかったことなどを理由に、スターアジアからの合併提案を拒否。自らの投資主(株主に相当)に対し、スターアジアの合併提案を受け入れないよう呼び掛けている。投資主総会開催にも反発していたが、関東財務局はスターアジアからの総会招集許可申し立てを認めた。
さくら総合は今回の関東財務局の決定を受け、自らの投資主に「買収提案に関するあらゆる勧誘には一切応じないようあらためてお願い申し上げる」と要請。スターアジアの合併提案より投資主の利益に資する提案を審議するためとして、8月30日に臨時投資主総会を開くと発表しており、対決姿勢を変えていない。
(藤原秀行)