日本が官民連携でブラジルの鉄道整備事業を促進へ

日本が官民連携でブラジルの鉄道整備事業を促進へ

国交省:リオデジャネイロの鉄道整備にJOINが43億円を出資

国土交通省は6月28日、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)がブラジルのリオデジャネイロ近郊鉄道運営事業に約43億円の資金拠出を行ったと発表した。

三井物産とJR西日本が設立した特別目的会社「ガラナ・ アーバン・モビリティ」(GUMI)への出資を通じて事業の経営基盤を強化。また日本の鉄道運営に関するノウハウを活用した質の高い公共交通サービスの提供支援によって、現地で課題となっている交通渋滞の解消などに寄与していく。

JOINによる同プロジェクトへの出資参画は2019年12月に国土交通大臣が認可。資金拠出は今年5月31日に行われた。

プロジェクトはリオデジャネイロ近郊に8路線、総延長270キロメートルの鉄道を整備するもの。日本が保有する鉄道分野の知見を生かして安全かつ安定した輸送インフラの構築に向けた取り組みを加速。自動車から公共交通への転換や慢性的な交通渋滞の解消、今後見込まれる輸送需要の増加とそれに伴い発生する諸課題に対応する。


国土交通省ニュースリリースより

国際協力銀行:三井物産が参画する貨物鉄道事業の設備更新にローン供与

一方、国際協力銀行(JBIC)は同日にブラジルの貨物鉄道路線向け設備更新で3000万ドルを上限とする貸付契約を締結したと発表した。現地総合資源企業であるヴァーレの子会社「VLI」が進めるもので同社には三井物産も出資。VLIが傘下の「VLI Multimodal」を通じて行う既存の貨物鉄道路線における設備更新費用に充てられる。ブラジルみずほ銀行との協調融資でローン総額は約5000万ドル。

ブラジルではトラック輸送への依存度の高さによる渋滞の発生や高い物流コストが課題となっている。鉄道輸送網の拡充は穀物や肥料、製鉄原料や鉄鋼製品などの貨物輸送で重要な役割を担っており、VLIが事業権を有する貨物鉄道路線の整備を通じて輸送能力の向上を支援する。

今融資に意義についてJBICは「日本企業の物流インフラ事業の国際競争力の維持・向上に貢献するとともに、ブラジルにおける物流コストの改善にもつながる」と展望。またVLIの最大出資者であるヴァーレは鉄鉱石、ニッケル、コバルトといった鉱物資源分野で世界有数のサプライヤーとして長年にわたって日本企業と良好な関係を構築していることから、今件を通じてヴァーレとの関係強化を図り日本企業による鉱物資源確保および投資・輸出機会の創出に寄与をすることを期待している。

今後も日本の公的金融機関として多様な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能などを通じて、日本企業による海外インフラ事業の展開を金融面から支援していく考え。

(鳥羽俊一)

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