【現地取材・動画】サントリーが横浜のセンターに自動搬送棚導入、荷積み時間3割削減目指す

【現地取材・動画】サントリーが横浜のセンターに自動搬送棚導入、荷積み時間3割削減目指す

トヨタL&Fと共同設計、年間2000時間短縮も

サントリーホールディングス(HD)と傘下のサントリーロジスティクスは4月25日、横浜市に構えてるグループの主要物流拠点「サントリーロジスティクス神奈川支店 長津田配送センター」で、新たに導入した自動搬送棚をメディアに公開した。

同センターはサントリーのビールなど酒類と清涼飲料、加工食品を扱っている。「物流2024年問題」やトラックドライバー不足で庫内作業の時間短縮が強く求められているのを踏まえ、自動搬送棚で入出荷作業を効率化し、トラックへの商品積み込み時間を3割減らすことなどを目指す。

 
 


導入した自動搬送棚

同センターは2015年1月開設。保管面積は約1万坪で、神奈川と静岡、山梨の3県向け出荷を担っている。取扱数量は年間約5300万ケース、1日当たりの出荷数量は平均約8万ケースと、サントリー製品の出荷を担う倉庫の中で最大級だ。

採用した自動搬送棚は豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーと共同で設計し、2基を採用、今年4月に本格稼働を開始した。

これまではサントリーグループの飲料製品で、パレットにフルに乗せ切ったパレット単位ではなく、ケース単位でピッキングしてパレットに載せる割合が高く、使うパレットの枚数が増えるため、製品を載せたパレットを一時的に収める仮置き場のスペースが不足したり、広いセンター内の商品搬送に手間が掛かったりといった課題を抱えていた。

自動搬送棚はピッキングしたケースを搭載しているパレットをフォークリフトでコンベヤーに載せると、保管システムが製品の2次元コードを読み取り、指定の間口にスタッカークレーンが自動で運ぶ。出荷する際は、自動搬送棚に設置しているモニターが当該の製品を載せているパレットがある間口やトラックに積み込む枚数などを表示、探用スタッフはその内容に沿って作業する。


コンベヤーで搬送棚まで送り込む

 
 


スタッカークレーンが指定の間口にパレットを運ぶ

自動搬送棚は上部の空間も有効活用できることなどから、仮置きスペースが従来の約2倍に広がり、パレット約400枚分を増やした分に相当。トラックへの積み込み前の搬送などの工数を1割程度削減できる上、出荷の準備作業も効率化し、トラックへの積み込みに要する時間は以前の1回当たり約50っ分から約35分へ3割程度短くなり、年間で累計約2000時間を減らせると見込んでいる。


モニターで出荷する製品のある間口やトラックなどを分かりやすく表示


トラックに積み込む製品を一番前まで持ってくる

(藤原秀行)

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