サンゲツ、内装材特化した独自ユニットロードシステムで積み込み・積み降ろし時間を87.5%短縮に成功

サンゲツ、内装材特化した独自ユニットロードシステムで積み込み・積み降ろし時間を87.5%短縮に成功

全国の拠点に拡大目指す

サンゲツは7月23日、内装材の物流業務を大幅に効率化するユニットロードシステムの実効性を確認したと発表した。

当該システムの採用でトラックへの積み込み・積み降ろし作業時間を従来の約240分から約30分へ約87.5%短縮できたと説明。システムの中核を占める回転式パレットは、重量物・異形物の「内装材」に特化した「Vパレ」として関連特許3件を取得済み。



経済産業省が主導する「物流効率化に向けた先進的な実証事業」に採択された。

同システムは全国8カ所のロジスティクスセンター(LC)のうち、旗艦拠点の北関東LC(埼玉県久喜市)と中部LC(愛知県稲沢市)で導入を進めている。今後は全国のLCへ拡大する方針。

サンゲツが内装材の主力商品として取り扱う壁紙は、調達先のメーカーから約50mの巻き物状の荷姿で届き、長辺は約90㎝、重量は約20kgに及んでいる。

従来の調達物流では、メーカー側のトラックへの積み込みと、ロジスティクスセンター(LC)での積み降ろしは、ドライバーの手で1本ずつ「ばら積み・ばら降ろし」で実施。巻き物状の壁紙を輸送時には縦積み、入庫時には横積みにするなど作業負荷が非常に大きいのが課題だった。

「物流2024年問題」やトラックドライバー不足も考慮し、2024年6月に経済産業省が主導する「物流効率化に向けた先進的な実証事業」に参画。物流の効率化と持続性向上を実現できる方策を検討してきた。

その一環として、調達物流の作業効率化と荷役時間の削減を目的に、パレット輸送システムを考案。SCMの一環として、調達先からの輸送、庫内荷受け、搬送、格納までを一気通貫でカバーするユニットロードシステムを確立した。



「Vパレ」と回転フォークリフトを組み合わせて、迅速かつ効率的な「パレット積み・パレット降ろし」を実現。ドライバーの負担を大幅に軽減できると想定している。


「Vパレ」を活用した縦積み、横積みのイメージ


壁紙の入庫の様子

「Vパレ」関係の特許3件の概要

特許番号

特許第7699305号

発明の名称

パレット                         

出願日/公知日

2024年3月25日/2025年6月26日

特許番号

特許第7659120号

発明の名称

パレットおよびパレットを用いて物品を搬送および保管する方法

出願日/公知日

2024年10月30日/2025年4月8日

特許番号

特許第7592925号

発明の名称

パレットおよびパレットを用いて物品を搬送および保管する方法

出願日/公知日

2024年7月10日/2024年12月2日

(藤原秀行)※いずれもサンゲツ提供

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