DHL Expressとキャセイグループ、アジアでSAF活用拡大へ新契約締結

DHL Expressとキャセイグループ、アジアでSAF活用拡大へ新契約締結

2400メトリックトン購入、成田など3国際空港発の貨物便に使用

DHL Expressとキャセイグループは8月14日、航空貨物分野のCO2排出量削減を促進するため、環境負荷の低い持続可能な航空燃料(SAF)の新たなパートナーシップ契約を締結したと発表した。

キャセイはDHL Expressに対し、アジアの国際空港3カ所(成港、ソウル・仁川、シンガポール・チャンギ)の国際便向けに使用するため、2400メトリックトンのSAFを供給する。

各便はキャセイグループの貨物航空会社エアホンコンが運航し、DHL Expressの国際エクスプレス輸送を主に担っている。


契約を締結した(左から)DHL Expressアジア太平洋地区 ネットワークオペレーション&アビエーション担当シニアバイスプレジデントPeter Bardens氏、キャセイグループ カーゴ部門ディレクターTom Owen氏(DHLグループ提供)

契約の期間は2025年までで、製造過程を含めたライフサイクル全体で温室効果ガス排出量を約7190メトリックトン減らせると見込む。エアバス330F型機による香港~シンガポール間のフライト100回分以上に相当するという。

DHL Expressはキャセイが2022年に立ち上げた「法人企業向けSAFプログラム」の戦略パートナーに参加した。同プログラムは企業パートナーによる出張や航空貨物輸送のCO2削減をSAF利用で支援しており、24年には過去最多の16社(HSBC、 AIA 、スタンダードチャータードを含む)が名を連ね、6000トン超のSAFを使用した。

キャセイは、アジア地域でSAF供給網を伸ばしており、2025年初頭には中国のシノペック(中国石油化工集団公司)と提携し、中国本土で生産したSAFを香港国際空港で積み込み、シノペックにとって初となる香港への輸出を実現した。韓国ではSKエナジーと2025~27年を対象とするSAF供給契約を結んだほか、香港におけるSAFの普及促進を目的に「香港SAF連合(HKSAFC)」の設立にも参画した。

(藤原秀行)

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