「トランプ関税」影響続く、全体では1%増に・デカルト調査
米調査機関デカルト・データマインが8月15日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、7月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比1.2%増の192万1538TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
プラスとなったのは今年4月以来、3カ月ぶり。全世界ベースで見ても、2.5%増の261万9300TEUと増勢に転じた。
米国でトランプ大統領が中国などからの輸入品を対象に関税を引き上げる動きを強めており、世界の貿易に影響が出ているが、7月はやや持ち直した。
10カ国・地域のうち、取扱量が全体の約5割を占めてトップの中国は7.8%減の102万6712TEUで、3カ月続けて減少したが、減少幅は6月(24.1%)から縮小。前月の6月と比較すると40.4%伸びた。
デカルトは「ハイシーズンの動きに米国の関税交渉をにらんだ駆け込み輸入が重なったと思われる」と指摘している。
2位のベトナムは前年同月比34.5%増の26万2358TEUと伸長した一方、3位の韓国は6.6%減の20万8438TEU、4位のインドは30.7%増の8万7768TEUなど、6カ国・地域が前年水準を超え、国・地域によってトランプ関税の影響の度合いが引き続き異なっていることを示唆した。
世界発米国向けコンテナの7月実績を原産国ベースで見た場合でも、中国は前年同月比9.8%減だった半面、ベトナムは20.9%増となるなど、動きが分かれている。
品目別では上位10品目のうち6品目がマイナスになった。家具類は4.9%減、プラスチックは8.0%増、機械類は0.1%減などとなった。
米国発アジア10カ国・地域向けの6月のコンテナ輸送量は、首位の中国向けは前年同月比25.4%減の8万3763TEU、2位のインドが5.5%増の6万2444TEU、全体では1.6%増の47万611TEUだった。
(藤原秀行)