北越コーポグループと紙製品で実証実験、10秒以内で正確に立案
横河電機は8月20日、子会社の横河デジタルがトラックの荷積み計画を自動的に作成するAIシステムを開発したと発表した。
同社が北越コーポレーション子会社の北越物流と連携し、実証実験を行った結果、大幅に計画作成時間を短縮することに成功、北越コーポレーションと北越物流は今年7月、同システムを正式に採用した。
北越コーポレーションが担う紙・パルプ製品の製造・販売に関し、紙製品の出荷計画は製品の形状、運搬する車両、届け先からの指定など、さまざまな制約条件があるため、従来の一般的な最適化技術では、目的や制約条件が複雑になるにつれてロジックの組み方の難易度が上がり、計画を立案するまでの時間が長くなっていた。
実証実験に際し、横河デジタルのAIコンサルタントが高度な技能と経験を持つ荷積み計画作成担当者の思考プロセスをヒアリングし、現場の状況を把握した上で、担当者の思考プロセスを再現する荷積み計画AIの開発にこぎ着けた。
出荷品、車両、届け先の指定する事項など複雑な条件を考慮しながらも、一度の荷積み計画作業を10秒以内という非常に短時間で正確に立案できることが確認できたという。
さらに、計画作成担当者ならでは「気遣い」も再現。ドライバーへの負荷が高まり過ぎないよう、各トラックの配送先を出来る限り1カ所に集約したり、複数の場合は届け先を近くにし、積載量も考慮した上で計画立案を済ませることができたという。
荷積み計画AIの仕組み(プレスリリースより引用)
今後も各社の事情に合わせて、担当者の思考プロセスを再現する荷積み計画AIを提供、物流現場の業務効率化と持続可能な運用体制の構築を支援していきたい考えだ。
(藤原秀行)