24年度の宅配取扱実績、3年連続50億個台も伸び小幅に

24年度の宅配取扱実績、3年連続50億個台も伸び小幅に

国交省集計、物価高騰や料金値上げが影響か

国土交通省は8月27日、2024年度の宅配便事業者による荷物取扱実績を公表した。

主要21サービスブランド全体の取扱個数は前年度比0.5%増の50億3147万個だった。EC市場の成長持続を背景として10年連続で過去最高を更新。3年続けて50億個の大台に乗った。



ただ、伸び率は20年度の11.9%から21年度は2.4%、22年度は1.1%、23年度は0.3%と縮小しており、24年度もほぼ横ばいだった。物価高騰や宅配料金値上げが個人のEC利用の重しになっている可能性がありそうだ。

取扱実績は各事業者からの報告内容を基に、国交省が重量30kg以下の荷物数を集計した。

宅配便の大多数を占めているトラック運送分は24年度実績が0.2%増の49億2614万個となった。2年ぶりのプラスだが、伸び率は小幅にとどまった。トラックドライバー不足などが輸送に影を落としている可能性がある。

各社のトラック運送分取扱実績の内訳は、最大手のヤマト運輸が1.2%増の23億2375万個で2年ぶりのプラスとなり、シェアは23年度から0.5ポイント上昇し47.2%だった。

2位の佐川急便は7.4%減の12億7155万個で、シェアは2.1ポイント下がり25.8%。3位の日本郵便は8.5%増の10億9565万個で、シェアは1.7ポイント上昇し22.2%。佐川との差を詰めている。

上位3社でシェア9割以上を占める状況に変わりはなかった。



一方、航空輸送分の取扱実績は主要な155のサービスブランド合計で12.9%増の1億5328万個となり、大きく伸びた。1億個の大台に乗ったのは初めて。引き続きドライバー不足が航空便へのシフトを促している側面がありそうだ。

書籍やカタログなどを送るメール便は主要な10のサービスブランド合計で7.3%減の33億4477万冊で3年連続のマイナスを記録。ヤマト運輸がクロネコDM便を昨年1月に廃止、日本郵便に取り扱いを集約したことが影響した。

(藤原秀行)

集計結果はコチラから(国交省ウェブサイト)

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