金属・非金属の包材混在でも対応可能、物流管理効率化を支援
TOPPANホールディングスは9月8日、グループのTOPPANデジタルが、一般的に他のパッケージの読み取りを妨げるとされる金属素材のパッケージが混載されていても対応可能なインデックスICタグを開発したと発表した。
主に病院における医療製品のSPD(院内物流管理システム)に使ってもらうことを想定しており、11月に発売する予定。
新製品は長距離通信でタグの一括読み取りができるUHF帯タイプで、通信距離が変わってくる異素材のパッケージが密集している状態でも安定的に数m単位の長距離通信が可能なのがメリット。ラベルの一部を貼り付け、先端部分を突出させて使用する。
医療製品の入出庫・棚卸し業務などを円滑に済ませられるようサポートする。
ICタグラベル外観
読み取りイメージ(いずれもTOPPANホールディングス提供)
RFIDタグが病院内のSPD管理に活用され始めているが、プラスチック・紙・アルミなど多様な素材のパッケージが密集して保管されている場合、十分に読り取りができないケースが多く見られた。特に金属は電波を遮断し、他のパッケージの読み取りを妨害することが課題だった。
TOPPANデジタルは自社独自のアンテナ形状技術により、ICタグアンテナと読み取りアンテナの位置関係が正対していない状態でも電波が回り込むことのできる汎用広指向性モデルを製品化、特許も出願している。
その技術を応用・最適化してアンテナ設計を工夫することで、非金属・金属を問わず、あらゆる素材のパッケージに展開可能なインデックスICタグの開発にこぎ着けた。
パッケージが密集し、ICタグが積層状態になった状態でも読み取り性能が安定し、医療医薬業界における物流管理の効率化に貢献できると見込む。
価格は20円/枚~(ロット100万枚一括手配時/印字・データ書き込みを含まない)と設定している。
TOPPANデジタルは、病院や医療製品の物流管理業務を行う企業など、医療医薬分野の企業を中心に新製品を提供し、2026年度に関連受注を含め約20億円の売り上げを目指す。併せて、工場内の消耗品資材管理などにも利用を働き掛けていく予定。
(藤原秀行)